自宅の窓リフォームでも、一定の工事を10年以上のローンで行う場合は、住宅ローン控除を利用できる可能性があります。ただし、住宅ローン控除の対象になる窓リフォームは、内窓や外窓を取り付ければ自動的に認められるわけではありません。
工事範囲、断熱性能、補助金を差し引いた工事費、借入期間、増改築等工事証明書などの条件があります。とくに、一部屋だけの窓リフォームは住宅ローン控除の対象にならないケースがあるため、契約前の確認が重要です。
この記事では、窓リフォームで住宅ローン控除を使う条件、対象工事、控除額、必要書類、確定申告まで具体的に解説します。
窓リフォームで住宅ローン控除は使える?対象になる工事とは
2026.08.28
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このコラムで分かること
- 窓リフォームで住宅ローン控除を利用できる基本条件
- 内窓・ガラス交換・外窓交換が対象になり得る理由
- 一部屋だけの窓工事が対象になるケースとならないケース
- 補助金を差し引いた工事費100万円超の考え方
- 住宅ローン控除の控除率・期間・計算例
- 増改築等工事証明書を依頼できる人・機関
- 契約から施工、初年度の確定申告までの流れ
- 先進的窓リノベ2026事業との併用時の注意点
- 住宅ローン控除とリフォーム促進税制の違い
目次
※制度情報は2026年8月28日時点の国土交通省・国税庁の公式情報をもとにしています。個別の適用可否や税額は、所轄税務署または税理士へご確認ください。
条件を満たす場合は、窓リフォームで住宅ローン控除を使える可能性があります
この記事は、すでに所有している住宅の窓リフォームに対する住宅ローン控除を扱っています。中古住宅を購入するときの住宅ローン控除については、「中古住宅でも住宅ローン控除は使える?条件と控除額を整理」をご覧ください。

中古住宅でも住宅ローン控除は使える?条件と控除額を整理
中古住宅でも住宅ローン控除は利用できます。ただし、住宅性能や入居時期で控除期間・借入限度額・必要書類が変わります。自分がどの区分に当たるか、確認順に解説します。
窓リフォームは、税制上の「一定の増改築等」に該当し、ほかの要件も満たせば住宅ローン控除の対象になります。2026年は年末残高等の0.7%を最大10年間控除し、借入限度額は2,000万円です。
ただし、内窓設置やガラス交換が自動的に対象になるわけではありません。窓の断熱改修を第6号工事として申告する場合、原則としてすべての居室にあるすべての窓を改修し、改修部分が平成28年省エネ基準以上となり、住宅全体の断熱等性能等級が一段階相当以上向上する必要があります。
一部の窓リフォームでも、住宅性能評価書や増改築後の長期優良住宅認定で性能向上を証明する場合、または対象となる壁・床工事の一体工事として行う場合は、対象になり得ます。どの区分で増改築等工事証明書を発行できるかを契約前に確認しましょう。
窓リフォームが住宅ローン控除の対象になる6つの条件
窓リフォームで住宅ローン控除を利用するには、工事内容だけでなく、住宅・申請者・ローンにも条件があります。
| 確認項目 | 主な条件 |
|---|---|
| 対象住宅 | 自分が所有し、主として居住する住宅 |
| 対象工事 | 第1号~第6号工事のいずれかに該当する増改築等 |
| 工事費 | 補助金等を差し引いた対象工事費が100万円を超える |
| 借入期間 | リフォームに使うローンの返済期間が10年以上 |
| 床面積・所得 | 登記面積40㎡以上。合計所得金額1,000万円超は50㎡以上。合計所得金額2,000万円以下 |
| 居住 | 工事完了後6か月以内に居住し、その年の12月31日まで引き続き居住 |
店舗併用住宅では、床面積の2分の1以上が居住用であり、対象となる増改築等の費用の2分の1以上が居住部分の工事費であることも必要です。
窓リフォームの見積金額が100万円を超えていても、先進的窓リノベ2026事業などの補助金を差し引いた後に100万円以下になると、この費用要件を満たしません。工事費は税込みで100万円を超えることが条件のため、100万円ちょうども対象外です。
また、金融機関のリフォームローンでも、返済期間が5年や8年なら住宅ローン控除は使えません。借入額だけでなく、返済期間と借入先が税制上の対象になるかを金融機関へ確認しましょう。親族や知人からの借入金も対象外です。
住宅ローン控除の対象になる窓リフォームの工事
対象になり得るのは、内窓の新設・交換、既存ガラスの交換、外窓・サッシの交換です。工法名や商品名だけではなく、改修範囲と改修後の断熱性能で判定されます。内窓と、既存ガラス・サッシの交換を同じ住宅で併用することも可能です。
- 内窓:LIXIL「インプラス」やYKK AP「ウチリモ」など。既存窓の内側へ設置します。
- ガラス交換:複層ガラスやLow-E複層ガラスへ交換し、既存サッシとの組み合わせで基準を確認します。
- 外窓交換:LIXIL「リプラス」やYKK AP「マドリモ」など。サッシとガラスを更新します。
窓断熱研究所では、商品名だけで税制対象を判断せず、既存窓の数、居室の範囲、改修後の仕様、工事費、証明方法をまとめて確認の上、ご提案いたします。
一部の窓リフォームで住宅ローン控除を使えるケース
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「リビングの内窓だけで住宅ローン控除を使いたい」という場合は、原則の対象範囲を最初に確認する必要があります。
第6号工事として窓の断熱改修を単独で申告する場合は、すべての居室にあるすべての窓を改修するのが基本です。リビングだけ、寝室だけ、1階だけという一部改修は、通常のままでは第6号工事に該当しません。
一部の窓リフォームでも、次のいずれかに該当すれば対象に含められる可能性があります。
- 改修後に住宅性能評価書を取得し、住宅全体の断熱等性能等級が一段階以上向上したことを証明できる
- 増改築後の長期優良住宅認定を受け、断熱性能の向上を証明できる
- 第3号工事に該当する一室の床または壁の全部の修繕・模様替えと同時に、付随する工事として内窓やサッシ交換を行う
- 第1号工事などの本体工事に伴い、必然性・付随性のある一体工事として窓を交換する
たとえば、リビングの壁を下地から全面改修し、その工事に伴って既存サッシを交換する場合は、窓工事を第3号工事の一体工事として計上できる可能性があります。一方、壁紙だけを張り替え、同時に内窓を付けるだけでは、壁の全部を修繕・模様替えしたことにはなりません。
なお、借入を前提としない「リフォーム促進税制」の省エネ改修では、一部の窓だけでも対象になり得ます。住宅ローン控除とは対象範囲と費用の計算方法が異なるため、インターネット上の説明を混同しないようにしましょう。
窓リフォームで受ける住宅ローン控除の控除額
住宅ローン控除の各年の控除額は、原則として次の金額をもとに計算します。
年末の対象ローン残高等×0.7%
計算に使う金額は、年末のローン残高と、補助金等を差し引いた対象工事費のうち、少ない方です。借入限度額は2,000万円、控除期間は10年です。
たとえば、対象になる窓リフォームの工事費が500万円、補助金が100万円、年末のローン残高が380万円だった場合、計算の基礎は380万円です。
380万円×0.7%=2万6,600円
この2万6,600円が、その年の計算上の控除額です。実際に控除される金額は、その年に納めた所得税と、一定の住民税の範囲に限られます。
「最大140万円」という数字は、2,000万円の年末残高が10年間続き、毎年14万円を全額控除できた理論値です。窓リフォームの借入額や返済残高では、実際の控除額が数万円になることもあります。証明書発行費用や10年以上のローン金利も含め、税額控除だけで得かどうかを判断しないことが大切です。
住宅ローン控除を使う窓リフォームの契約前チェック
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窓リフォームで住宅ローン控除を使う場合、工事後ではなく契約前の確認が重要です。完成後に相談しても、対象範囲や性能を証明できず、増改築等工事証明書を発行できないことがあります。
次の内容を施工会社・金融機関・証明書の発行者へ確認しましょう。
- 予定する窓リフォームは第1号~第6号工事のどれに該当するか
- 第6号工事の場合、改修する居室と窓の範囲は足りているか
- 改修後の断熱性能をどの資料で証明するか
- 増改築等工事証明書を誰が発行するか
- 発行者が工事前写真、図面、製品仕様書、見積書の何を求めるか
- 補助金を差し引いた対象工事費が100万円を超えるか
- リフォームローンの返済期間が10年以上か
- 控除額よりローン金利や証明書費用が大きくならないか
増改築等工事証明書は、対象外工事しか行っていない場合には発行できません。また、発行者には証明書の発行義務がないため、施工前に対応可否と必要資料を確認しておくことが重要です。
窓リフォームで住宅ローン控除を申請する流れ
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住宅ローン控除を前提に進めるなら、次の順番が基本です。
- 見積依頼時に住宅ローン控除を検討していると伝える
- 建築士等へ工事区分と証明方法を確認する
- 金融機関へ借入先・返済期間・対象費用を確認する
- 補助金控除後も100万円を超えるか見積もる
- 契約書、写真、製品仕様書を残して施工する
- 増改築等工事証明書を取得する
- 工事完了後6か月以内に居住する
- 入居した年分の確定申告を行う
給与所得者も初年度は確定申告が必要で、2年目以降は年末調整を利用できます。
補助金申請、証明書発行、確定申告は担当者が異なります。契約前に、施工店・窓リノベ事業者・証明書発行者・金融機関・申告者の役割を整理しておきましょう。
住宅ローン控除に必要な窓リフォームの書類
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初年度の確定申告では、主に次の書類を用意します。
- 確定申告書と(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅ローン年末残高等証明書または年末残高情報
- 登記事項証明書または不動産番号
- 請負契約書など工事費を示す書類
- 増改築等工事証明書
- 補助金の交付額を示す書類
- 連帯債務がある場合の付表
増改築等工事証明書を発行できるのは、登録建築士事務所に所属する建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人です。一般の施工担当者が資格や所属に関係なく作成できる書類ではありません。
証明書の発行は義務ではないため、依頼先が窓リフォームの証明業務へ対応しているかを確認します。2026年4月以降の工事・居住には最新版の様式を使い、確定申告へ間に合うよう余裕を持って依頼しましょう。
補助金を併用する窓リフォームと住宅ローン控除
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先進的窓リノベ2026事業などの補助金と、住宅ローン控除は要件を満たせば併用できます。ただし、補助金は対象工事費と控除額の計算から差し引きます。先進的窓リノベ2026事業の申請は窓リノベ事業者が行い、一般消費者は自分で申請できません。
たとえば、窓リフォームの対象工事費が180万円、補助金が90万円なら、補助金控除後は90万円です。100万円超の費用要件を満たさないため、この工事だけでは住宅ローン控除を利用できません。
また、先進的窓リノベ2026事業で補助対象になることと、住宅ローン控除の第6号工事に該当することは別の判定です。補助金では一部の窓が対象になっても、住宅ローン控除では原則としてすべての居室のすべての窓が求められます。
補助金の対象製品、補助額、申請方法は、先進的窓リノベ2026事業の解説で詳しく紹介しています。
窓リフォームで住宅ローン控除を使う場合と他の減税制度
窓の省エネ改修で利用できる税制は、住宅ローン控除だけではありません。借入期間や工事範囲によっては、別の制度の方が合う場合があります。
| 制度 | ローン | 主な考え方 |
|---|---|---|
| 住宅ローン控除(増改築) | 返済期間10年以上 | 年末残高の0.7%を最大10年控除。対象工事費は補助金控除後100万円超 |
| リフォーム促進税制の所得税控除 | 借入の有無を問わない | 窓の断熱改修を含む省エネ改修。標準的な工事費用相当額で計算 |
| 固定資産税の減額 | 借入の有無を問わない | 所定の省エネ改修後、自治体へ別途申告 |
返済期間10年未満のローンや自己資金で工事する場合、住宅ローン控除は利用できません。省エネ改修のリフォーム促進税制では、「住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書」と増改築等工事証明書などを使って申告します。
増改築費用のローンで住宅ローン控除を利用する場合、同じ省エネ改修についてリフォーム促進税制の所得税控除を重ねて使うことはできません。固定資産税の減額は、別の要件を満たせば併用できる場合があります。
古い記事にある「省エネ改修のローン型減税」は、2022年以後の入居には利用できません。2026年の窓リフォームでは、現在の住宅ローン控除またはリフォーム促進税制のどちらに当たるかを確認しましょう。
窓リフォームで住宅ローン控除を使えないケース
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次のような工事・契約は、住宅ローン控除の対象にならない可能性が高くなります。
- 一部屋の内窓設置だけで、性能評価や対象本体工事がない
- フィルム、カーテン、ブラインドなど建築上の窓改修ではない
- 補助金を差し引いた対象工事費が100万円以下
- リフォームローンの返済期間が10年未満
- 親族・知人から借りた資金で施工する
- 賃貸住宅やセカンドハウスへ施工する
- 工事後6か月以内に入居しない
- 床面積・所得などの要件を満たさない
- 増改築等工事証明書を発行できない
DIYで内窓を作る場合も、工事区分、費用、断熱性能を第三者が証明できず、増改築等工事証明書を取得できない可能性があります。税制利用を前提にするなら、施工前に証明書発行者へ相談してください。
住宅ローン控除と窓リフォームでよくある質問
内窓を一部屋に付けるだけでも住宅ローン控除を使えますか?
原則として、第6号工事はすべての居室のすべての窓の改修が基本です。住宅性能評価書等で断熱等性能等級の向上を証明する場合や、対象となる壁・床工事の一体工事に当たる場合は、一部の内窓も対象になる可能性があります。
窓リフォームの工事費が100万円を超えれば対象ですか?
工事費だけでは決まりません。補助金を差し引いた対象費用が100万円を超え、工事区分、ローン期間、床面積、所得、居住、証明書などの要件をすべて満たす必要があります。
現金で窓リフォームをしても住宅ローン控除を受けられますか?
住宅ローン控除は使えません。自己資金でも利用できるリフォーム促進税制の所得税控除や、固定資産税の減額を確認します。
施工会社が住宅ローン控除を申請してくれますか?
確定申告は住宅所有者が行います。施工会社は見積書・契約書・製品資料などを用意し、対応する建築士等が増改築等工事証明書を発行します。
先進的窓リノベ2026事業と住宅ローン控除を併用できますか?
要件を満たせば併用できます。ただし、補助金額は対象工事費と控除額の計算から差し引きます。
住宅ローン控除のために家中の窓を交換した方が得ですか?
税制だけを理由に不要な窓まで施工するのは適切ではありません。控除額、ローン金利、証明書費用、施工費、実際の断熱効果を比べ、必要な窓リフォームを優先します。
窓リフォームの住宅ローン控除は契約前に確認する
窓リフォームでも、一定の増改築等に該当し、補助金控除後の対象工事費が100万円を超え、返済期間10年以上のローンなどの要件を満たせば、住宅ローン控除を利用できます。
第6号工事として申告する場合は、原則として、すべての居室にあるすべての窓を改修し、所定の断熱性能向上を証明します。一部の窓リフォームは、住宅性能評価書、長期優良住宅認定、ほかの対象工事との一体性によって判断が変わります。
控除率は年末残高等の0.7%、借入限度額は2,000万円、控除期間は10年です。補助金を差し引いて100万円の費用要件を下回る場合があり、先進的窓リノベ2026事業と対象基準も異なります。
窓断熱研究所では、対象窓、製品仕様、見積書、補助予定額を整理します。税制の最終判断、増改築等工事証明書の発行、確定申告は、税務署・税理士・対応する建築士等への確認が必要です。住宅ローン控除を検討している場合は、見積もり・契約前にお知らせください。