窓リフォームで減税を受けるとき、増改築等工事証明書が必要になる場合があります。増改築等工事証明書は施工店なら誰でも作成できる書類ではなく、利用する税制、対象工事、保管資料を確認できる建築士等へ依頼します。
窓リフォーム後に依頼先を探すと、写真や仕様書が不足し、確定申告や固定資産税の申告に間に合わないこともあります。
この記事では、窓リフォームで増改築等工事証明書を頼める相手、相談時期、必要書類、取得方法を実務の順番で解説します。
増改築等工事証明書は誰に頼む?窓リフォーム減税の手続き
2026.08.31
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このコラムで分かること
- 証明書が必要になる主な税制と不要なケース
- 発行を依頼できる建築士・登録機関
- 施工店へ相談できる場合と外部へ頼む場合
- 工事前から保管したい契約書・写真・仕様書
- 公式PDFと利用する様式の選び方
- 依頼から取得、税務申告・申請までの流れ
- 費用と期間を見積もる際の確認事項
- 資料不足や対象外工事で証明が難しい例
目次
※制度・様式は2026年8月28日時点の国土交通省・国税庁の公表情報をもとにしています。税額控除や固定資産税の適用可否は、税務署・市区町村・税理士へ個別にご確認ください。
証明書は登録建築士事務所の建築士等へ依頼しましょう
証明書を発行できる主体は、次の4区分です。
| 発行主体 | 依頼先として考えやすいケース |
|---|---|
| 登録建築士事務所に所属する建築士 | 施工店や設計事務所に対応できる建築士がいる |
| 指定確認検査機関 | 建築確認や検査業務と併せて相談したい |
| 登録住宅性能評価機関 | 住宅性能の根拠資料をもとに確認したい |
| 住宅瑕疵担保責任保険法人 | 既存住宅や瑕疵保険関係の確認と併せて相談したい |
建築士資格があるだけでは足りず、建築士へ頼む場合は登録建築士事務所への所属が必要です。また、上記の発行主体に証明業務を引き受ける義務はありません。
まず施工店へ対応可否を尋ね、難しければ外部の登録機関へ相談します。
施工会社と証明書の発行者が別でも、住宅改修の内容を確認できる資料がそろえば手続きを進められます。相談時には「住宅の窓の省エネ改修について、どの減税制度に使う証明書が必要か」まで具体的に伝えましょう。
証明書が必要な税制と不要なケース
この書類は、すべての住宅の省エネ改修で提出するものではありません。主に次の税制で使います。
| 利用する制度 | 税制上の名称・主な手続き | 提出時期・提出先 |
|---|---|---|
| 省エネ改修の所得税控除 | 住宅特定改修特別税額控除 | 初年度の確定申告・税務署 |
| 増改築の住宅ローン控除 | 住宅借入金等特別控除 | 初年度の確定申告・税務署 |
| 省エネ改修後の固定資産税軽減 | 家屋分の固定資産税の減額 | 工事完了後3か月以内・市区町村 |
減税や控除を利用せず、補助金(先進的窓リノベ事業等)だけを申請する場合は、通常この書類は提出しません。ただし、補助制度には別の申請書類や性能証明があるため、登録事業者へ確認します。耐震改修では住宅耐震改修証明書を使う場合があり、住宅改修の内容によって様式が変わります。
国土交通省も、利用する減税制度によって記載するページや箇所が異なると案内しています。住宅特定改修特別税額控除と住宅借入金等特別控除では、使用する様式も確認事項も同じではありません。先に減税・控除制度を決めず、証明書だけを用意する進め方は適切ではありません。
各制度で適用要件や控除額は異なります。利用する制度を先に決め、その制度の条件を確認したうえで、増改築等工事証明書の発行を依頼しましょう。
証明対象になりやすい窓の省エネ改修
窓の減税制度で確認される代表的な省エネ改修は、樹脂製内窓の設置、複層ガラスやLow-E複層ガラスへの交換、カバー工法やはつり工法による外窓交換です。
対象製品を使っても、住宅性能、改修費用、補助金、居住要件まで満たさなければ減税は受けられません。遮熱フィルム、カーテン、網戸、鍵の交換は、窓の断熱改修とは別に扱われます。依頼時には、窓種、施工箇所、製品型番、ガラス仕様、改修前後の状態が分かる資料をそろえます。
窓リフォーム会社へ頼めるかは見積もり時に確認する
施工店へそのまま相談できれば、施工箇所、製品型番、ガラス仕様、工事費の内訳を共有しやすくなります。ただし、窓工事を行える会社と、税制用の証明書を発行できる会社は同じとは限りません。
見積もりを依頼するときは、適用可否に関わる次の3点を確認します。
- 登録建築士事務所に所属する建築士がいるか
- 利用予定の税制に対応した発行業務を受けているか
- 自社で難しい場合、提携先や外部機関を案内できるか
「建築士が在籍しています」という回答だけでは判断できません。所属する建築士事務所の登録と、今回の省エネ改修に関する発行実務への対応まで確認します。
外部へ頼む場合は、住宅所在地、建物種別、改修内容、完了予定日、補助金、手元の書類を伝えます。
相談は着工前、証明書の作成は工事完了後に進める
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実施した改修工事を確認して作るため、証明書の作成は住宅改修の完了後に進めるのが基本です。
一方、依頼先への相談は契約前または着工前に済ませましょう。
早めに相談する理由は、発行者によって求める写真、図面、費用内訳が異なるためです。特に固定資産税の減税申請期限は工事完了後3か月以内です。工事後に依頼先探しから始めると、資料の追加取得や現況確認に時間がかかり、期限が迫るおそれがあります。
所得税の税額控除と住宅ローン控除は、控除を受ける年分の確定申告で提出します。給与所得者でも初年度は確定申告が必要になるため、施工年のうちに控除手続きの関連書類を整理しておくと安心です。
すでに工事が終わっている場合も、契約書、領収書、製品資料、写真などで対象工事を確認できるか、依頼先へ相談します。根拠資料が少ないほど、追加調査や現況確認が必要になりやすくなります。
窓リフォームで必要な書類は工事前から保管する
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省エネ改修の証明で一般的に確認されるのは、次の資料です。
- 住宅の登記事項証明書
- 工事請負契約書
- 見積書と工事費用の内訳
- 設計図書、平面図、施工箇所図
- 製品カタログ、性能値、型番が分かる仕様書
- 工事前後の写真
- 領収書や支払記録
- 補助金の交付額決定通知書
- マンションの場合は管理組合の承認資料
窓改修では、施工前後の全景、既存サッシ、ガラス、使用製品が分かる写真を残します。工事前写真がなくてもほかの資料で確認できる場合はありますが、根拠が不足すると発行は難しくなります。契約書、見積書、製品資料、写真を同じ案件フォルダへ保管しましょう。
公式PDFは様式であり住宅所有者だけでは完成しない
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国土交通省は、最新版のExcel版・PDF版・記入例を公開しています。2026年4月以後の工事・居住開始に対応する様式と、それ以前の様式が分かれているため、住宅改修の時期に合うものを使います。
PDFをダウンロードして住宅所有者が入力しただけでは、税制上の証明書として完成しません。認められた発行主体が工事内容を確認し、利用制度に必要なページを作成します。また、リフォーム促進税制用と住宅ローン減税用では掲載場所が異なるため、書類名と制度を照合してください。
依頼時には、工事完了日、居住開始日、利用する税制を伝えます。これにより、旧様式や異なる制度用の書式を選ぶ間違いを防げます。
窓リフォーム後に証明書を取得する流れ
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- 利用する税制と対象要件を確認する
- 施工店へ発行業務の対応可否を尋ねる
- 必要なら外部の建築士・登録機関を探す
- 見積もりと必要資料、現況確認の有無を確認する
- 工事前写真と製品情報を保管して着工する
- 完了後に契約書・内訳・写真・補助金資料を提出する
- 発行者が対象工事と費用を確認する
- 書類を受け取り、税務署への提出または市区町村への申請に使う
最初の問い合わせでは、次の情報をまとめて伝えるとスムーズです。
「自宅の窓の省エネ改修を予定しています。利用したい制度は〇〇です。工事内容は内窓〇か所(または外窓交換〇か所)、完了予定日は〇月〇日、補助金は利用予定です。証明書の発行可否、必要書類、費用、期間を教えてください。」
増改築等工事証明書の発行方法・費用・期間は税額と比較する
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発行料金と期間に全国共通の定額はなく、資料の量や現況確認の有無で変わります。
見積もりでは、発行前の注意事項として次の項目を確認します。
- 証明書の発行費
- 現況確認や調査の費用
- 交通費
- 追加資料の確認費
- 必要部数
- 対象外と判断された場合の費用
- 申告期限までの発行期間
所得税の控除額や固定資産税の軽減額を概算し、取得費用をかける意味があるかも判断します。
窓リフォームで証明が難しくなる主な理由
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次のケースでは、発行不可または追加確認となることがあります。
- 利用予定の減税・控除制度では対象外となる改修工事
- 既存窓や改修後の性能を示す資料の不足
- 施工箇所や製品型番を特定する情報の不足
- 対象工事費と対象外費用の区分が不明
- 補助金額が未確定
- 契約書・写真・仕様書の不足
- 依頼先が発行業務を取り扱っていない
- 申告期限までの確認作業が困難
国土交通省も、対象外工事だけを行った場合は証明書を発行できないと案内しています。依頼先を探す前に、利用する減税・控除制度と住宅の省エネ改修内容が合っているかを施工店へ確認しましょう。
増改築等工事証明書についてのよくある質問
施工店とは別の建築士へ依頼できますか?
依頼できます。登録建築士事務所に所属する建築士など、認められた発行主体へ相談します。住宅改修の内容を確認できる契約書、内訳、製品資料、写真をそろえてください。
工事後でも手続きできますか?
資料から対象工事を確認できれば進められる場合があります。
ただし、固定資産税は工事完了後3か月以内の申請が必要です。着工前に依頼先と保管資料を確認しておく方が確実です。
証明書が求められない場合はありますか?
減税・控除制度を利用せず、補助金だけを申請する場合は、通常この書類は不要です。
利用する税制や補助制度によって別の証明書が必要になることがあります。
公式様式を自分で提出できますか?
住宅所有者だけで完成させることはできません。
公式様式はひな型であり、認められた発行主体による工事内容の確認と作成が必要です。
現況確認は必ずありますか?
一律ではありません。図面、契約書、写真、仕様書で確認できる範囲と、依頼先の判断によって変わります。
見積もり時に調査費と併せて確認してください。
証明書の準備は窓工事の見積もり時から始める
増改築等工事証明書は、住宅の省エネ改修に関する所得税の税額控除、住宅ローン控除、固定資産税の減税などで必要になる書類です。頼めるのは、登録建築士事務所に所属する建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人です。
施工店が発行できる場合もありますが、すべての会社が対応しているわけではありません。契約前に、利用予定の税制、依頼先、必要資料、費用、期間まで確認します。
契約書、費用内訳、製品仕様、施工前後の写真、補助金関連書類がそろえば、確定申告や申請を進めやすくなります。
窓断熱研究所では、窓改修の見積もり段階から、施工箇所、製品仕様、補助予定額、写真の残し方をご案内します。税制利用を検討している場合は、工事内容が確定する前にお知らせください。