窓のカタログを見ると「U値」、住宅の断熱性能を調べると「UA値」という似た数字が出てきます。U値とUA値はどちらも熱の逃げやすさを表しますが、評価する範囲に違いがあります。
U値は窓など一つの部位の性能、UA値は窓・壁・屋根・床などを含めた家全体の平均性能です。この違いを知らないと、U値の低い高性能な内窓を付ければUA値も同じ割合で下がると誤解しやすくなります。
この記事では、両者の違い、計算の考え方、内窓や外窓交換で住宅全体の断熱性能がどこまで変わるのかを具体的に解説します。
窓のU値と家のUA値は何が違いは?内窓効果の見方
2026.09.06
窓断熱研究所は住まい改善の専門チームです。お客様ごとの状況に合わせて、最適な窓リフォームのご提案を行います。
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このコラムで分かること
- U値とUA値の違い
- 窓のU値は何を表しているのか
- UA値で家全体の断熱性能がわかる理由
- U値が低い窓へ替えるとUA値がどう変わるのか
- 内窓1か所と家中の窓を改修した場合の違い
- ガラスのU値と窓全体のU値の違い
- UA値とC値・熱伝導率の違い
- ZEH水準で求められるUA値の目安
- 内窓リフォームでUA値を見るときの注意点
目次
- ・「ガラスのU値」と「窓のU値」は同じではない
- ・UA値とは?窓・壁・屋根・床を含めた家全体の断熱性能
- ・なぜU値の低い窓に替えてもUA値が同じだけ下がらないのか
- ・内窓でUA値はどのくらい下がる?数字で考えてみる
- ・内窓の効果は「U値がいくつになるか」だけでは判断できない
- ・UA値が低ければ窓際も必ず暖かいとは限らない
- ・ZEH水準ではUA値はいくつ必要?
- ・U値・UA値・C値・熱伝導率の違い
- ・内窓と外窓交換ではUA値への効果に違いがある?
- ・内窓リフォーム前に確認したい3つの数字
- ・U値とUA値を見るときによくある3つの間違い
- ・U値とUA値に関するよくある質問
- ・U値は窓、UA値は家全体の断熱性性能をみるもの
※制度・基準に関する内容は2026年9月時点の公表情報をもとにしています。
U値とUA値の違いを最初に整理
U値とUA値は名前だけでなく単位も似ているため、初めて住宅性能を調べる方には非常に分かりにくい指標です。
まずは違いを簡単に下記に整理します。
| 比較 | U値 | UA値 |
|---|---|---|
| 正式な意味 | 熱貫流率 | 外皮平均熱貫流率 |
| 主に見る範囲 | 窓・壁・屋根など一つの部位 | 住宅全体 |
| 単位 | W/(㎡・K) | W/(㎡・K) |
| 数値 | 小さいほど熱を通しにくい | 小さいほど家全体の断熱性能が高い |
| 窓リフォームでは | 交換する窓そのものの性能を見る | リフォーム後の家全体への効果を見る |
一言で表すなら、
U値=部分の断熱性能
UA値=家全体を平均した断熱性能
という違いです。
例えば「この窓のU値は1.9です」と言われても、それだけでは住宅全体の断熱性能はわかりません。
反対に「この家のUA値は0.60です」とわかっても、どの窓の性能が良いのか、どの壁の断熱性能が低いのかまではわかりません。
U値とUA値は、どちらか一方を見るものではなく、部分と全体をそれぞれ確認するための数字です。
窓のU値とは?熱をどれだけ通しやすいかを示す数値
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U値とは「熱貫流率」のことで、窓や壁などを通してどの程度熱が移動するのかを示します。
単位はW/(㎡・K)で、数値が低いほど熱を通しにくく、断熱性能が高いと考えます。
例えば、
- U値 6.0
- U値 3.0
- U値 1.5
という3つの窓があれば、同じ条件ではU値1.5の窓が最も熱を通しにくい窓です。
冬であれば室内の暖かい熱が外へ逃げにくくなり、夏は外からの熱が室内へ伝わりにくくなります。
そのため窓のU値を下げることは、窓際の寒さや暖冷房負荷を改善するうえで重要です。
U値は窓だけに使う数字ではない
「U値=窓の性能」と思われることがありますが、本来のU値は窓専用の指標ではありません。
住宅では、
- 窓
- 玄関ドア
- 外壁
- 屋根
- 天井
- 床
など、それぞれの部位に熱貫流率があります。壁であれば、断熱材の種類や厚み、柱などを含めた構成によってU値が変わります。
窓の場合も同様で、サッシとガラスの組み合わせによってU値が変わります。つまり、住宅はU値の異なる部位を組み合わせてできているということです。
「ガラスのU値」と「窓のU値」は同じではない
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窓リフォームを検討するときに、特に注意してほしいのがここです。
カタログには「ガラスの熱貫流率」と「窓・開口部の熱貫流率」が出てくることがあります。
この2つは同じではありません。
例えば高性能なLow-E複層ガラスを使用していても、そのガラスをアルミサッシへ組み込むのか、樹脂サッシへ組み込むのかによって窓全体のU値は変わります。
そのため、「ガラスのU値が1.1だから、この窓全体もU値1.1」とは限らないということです。
窓の断熱性能を比較するときは、できるだけガラス単体ではなく、サッシとガラスを組み合わせた開口部全体のU値を確認してください。
これは内窓でも同じです。
外窓が何でできているか、外窓のガラスが単板なのか複層なのか、新しく付ける内窓が単板・複層・Low-E複層のどれなのかによって、二重窓になった後のU値は変わります。
LIXILでは、既存の外窓がアルミサッシ+単板ガラスの場合、インプラスに所定のLow-E複層ガラスを組み合わせることで、既存窓+内窓を合わせた開口部の熱貫流率を1.9W/㎡K以下とする仕様を案内しています。
つまり「インプラスだからU値○○」ではなく、既存窓と内窓の組み合わせまで見て初めて、その窓の性能が決まるわけです。
UA値とは?窓・壁・屋根・床を含めた家全体の断熱性能
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UA値は「外皮平均熱貫流率」のことで、住宅全体からどれくらい熱が逃げるのかを平均した数値です。
国土交通省では、UA値を簡単にいうと、窓・外壁・屋根・基礎などの外皮から逃げる総熱量を、外皮総面積で割った数値と説明しています。
考え方を簡単な式にすると、UA値 = 住宅の外皮から逃げる熱量の合計 ÷ 外皮面積です。
ここでいう「外皮」とは、室内と屋外などを隔てている部分です。
住宅であれば、
- 窓
- 玄関ドア
- 外壁
- 屋根・天井
- 床・基礎
などが含まれます。
実際の外皮計算では熱橋や温度差係数なども考慮するため、単純な足し算だけではありませんが、基本的な考え方は各部位から逃げる熱を合計し、住宅全体の外皮面積で平均するというものです。
UA値も低いほど断熱性能が高い
U値と同じようにUA値も数値が小さいほど高性能です。
例えば、
- UA値0.87
- UA値0.60
- UA値0.46
であれば、同じ条件で比較した場合、UA値0.46の住宅の方が家全体として熱を逃がしにくいと評価できます。
ここがU値とUA値の共通点です。
ただし、U値1.5の窓を付けたから家のUA値も1.5になるわけではありません。
UA値は住宅全体の平均だからです。
なぜU値の低い窓に替えてもUA値が同じだけ下がらないのか
この違いを理解すると、内窓リフォームの効果がかなり見えやすくなります。
例えば、住宅には窓だけでなく、
- 100㎡以上ある外壁
- 屋根・天井
- 床
- 玄関ドア
などがあります。
その中の窓1枚だけU値を大幅に改善しても、家全体から見れば改修した面積は一部分です。
そのため、
U値6.0の窓をU値1.9まで改善した
↓
UA値も6.0から1.9へ下がる
ということにはなりません。
UA値への影響は、U値がどれだけ変わったか × その窓の面積がどれくらいあるかで大きく変わります。
内窓でUA値はどのくらい下がる?数字で考えてみる
ここからは、内窓を付けた場合に家全体のUA値がどう変わるのか、単純化した例で見てみましょう。
※以下はU値とUA値の関係を理解するための試算です。実際のUA値は外皮計算によって確認する必要があります。
例1|大きな窓1か所だけ内窓を付ける場合
次の住宅を仮定します。
- 外皮面積:300㎡
- リフォーム前のUA値:0.80
- 改修する窓:3㎡
- 改修前の窓U値:4.0
- 内窓設置後の開口部U値:1.9
窓のU値は、4.0 → 1.9なので、1㎡あたりの差は2.1W/㎡Kです。
3㎡の窓なら、2.1 × 3㎡ = 6.3W/Kだけ熱損失が減る計算になります。
これを外皮面積300㎡で割ると、UA値への影響は単純計算で、6.3 ÷ 300 = 約0.021です。
つまりUA値0.80の住宅なら、ほかの条件が同じという単純化した計算では、おおむね0.78程度になります。
窓そのもののU値は大きく改善していますが、家全体のUA値を見ると変化は小さく見えます。
これがU値とUA値の違いです。
例2|家中の窓30㎡を同じように改善する場合
では、同じ住宅で30㎡あるすべての窓を、U値4.0 → U値1.9へ改善したとします。
熱損失の減少量は、2.1 × 30㎡ = 63W/Kです。
外皮面積300㎡で単純計算すると、63 ÷ 300 = 0.21となります。
UA値0.80から0.21改善すると考えれば、単純計算上はUA値0.59程度になります。
※この計算はU値とUA値の関係を理解するため、窓以外の条件を固定した単純試算です。正式な外皮計算では、各部位の性能や熱橋、温度差係数なども含めて算定します。また、UA値が0.60以下になっただけでZEH水準省エネ住宅になるわけではありません。
※家中の窓へ内窓を設置した場合に、断熱等級4・5へどこまで近づけるかは、「内窓を全部付ければ断熱等級4になる?断熱等級5との違いと判定基準」で詳しく解説しています。

内窓を全部付ければ断熱等級4になる?断熱等級5との違いと判定基準
家中の窓に内窓を付ければ断熱等級4になる?断熱等級5との違い、UA値、壁・床・天井・玄関ドアまで含めた判定方法を解説。内窓だけで基準へ届きやすい住宅と、追加の断熱リフォームが必要な住宅の違いも紹介します。
もちろん実際の住宅では、窓ごとの仕様、外壁・床・屋根の性能、熱橋などを含めて正式に計算する必要があります。
しかし、この例から分かることがあります。
窓1か所を高性能化してもUA値への影響は限定的ですが、住宅の窓面積が大きく、古い窓をまとめて高性能化すると、家全体のUA値へ大きく影響する場合があるということです。
これが内窓リフォームで「窓全部」を改修したときに断熱効果が大きくなりやすい理由の一つです。
内窓の効果は「U値がいくつになるか」だけでは判断できない
ここは窓断熱研究所として特に重要だと考えているところです。
内窓の商品を比較するとき、「一番U値が低いガラスにすれば一番いい」とは限りません。
UA値への影響を考えると、次の条件も重要になります。
既存窓のU値が高いほど改善幅は大きくなりやすい
アルミサッシ+単板ガラスなど、もともと断熱性能が低い窓では、内窓を追加したときのU値の改善幅が大きくなりやすくなります。
一方、すでに高性能な樹脂窓やLow-E複層ガラスが入っている場合は、同じ内窓を付けてもU値の改善幅は小さくなることがあります。
つまり、内窓の効果を見るときは「設置後のU値」だけでなく、「設置前との差」も見る必要があります。
窓面積が大きいほどUA値へ影響しやすい
同じU値の改善でも、
- 0.5㎡の小窓
- 4㎡の掃き出し窓
では、家全体への影響が違います。
UA値の改善を目的にするなら、面積の大きい窓の性能を上げた方が、計算上の熱損失を大きく減らせる場合があります。
ただし、小さな窓でも浴室やトイレなど「寒さを強く感じる場所」なら、UA値への影響が小さくても快適性を優先して改修する意味があります。
UA値の改善量と、暮らしの改善効果は必ずしも同じではありません。
方角はUA値には直接表れにくいが、実際の快適性には重要
UA値は主に熱の逃げやすさを評価する数値です。
一方、夏の西日や冬の南面からの日射取得などは、UA値だけでは十分に判断できません。
例えば、西向きの大きな窓ではU値を下げるだけでなく、日射をどの程度遮るかも重要です。
LIXILも内窓用ガラスについて、地域や方角に応じたガラス選びを案内しており、Low-E複層ガラスには日射取得を重視する仕様と遮熱を重視する仕様があります。
そのため窓リフォームでは、冬の断熱だけを見るのか、夏の日射対策も必要なのかまで確認してガラスを選びます。
※窓の断熱性能を示すU値と、日射熱の入りやすさを示すη値の違いは、「遮熱窓で後悔する理由は?冬の寒さ・断熱窓との違いと選び方」で詳しく解説しています。

遮熱窓で後悔する理由は?冬の寒さ・断熱窓との違いと選び方
遮熱窓を選んで後悔する理由を、冬の日射熱が入りにくい、方角に合わない、遮熱と断熱を混同したなどの失敗例から解説。Low-Eガラスの選び方や内窓・外窓交換で確認したいポイントも紹介します。
UA値が低ければ窓際も必ず暖かいとは限らない
UA値は住宅全体を平均した数値なので、住宅の「弱点」がどこにあるかまでは表しません。
例えばUA値が同じ0.60の住宅でも、
住宅A
- 壁の断熱性能が非常に高い
- 窓のU値はやや高い
住宅B
- 窓は非常に高性能
- 壁の断熱性能は住宅Aより低い
という違いがあり得ます。
平均すると同じUA値でも、窓際で感じる冷気や表面温度は違う可能性があります。
そのため既存住宅で、
- 窓際だけ寒い
- 窓に結露が多い
- 足元へ冷たい空気が落ちてくる
- 大きな掃き出し窓の近くが寒い
といった症状があるなら、家全体のUA値だけでなく、その窓のU値と表面温度にも注目した方がよいでしょう。
窓のU値を低くすると室内側ガラスの表面温度が下がりにくくなり、結露を抑えやすくなる効果も期待できます。ただし、結露は室内湿度や換気などにも左右されるため、高性能窓にすれば必ず発生しなくなるわけではありません。
ZEH水準ではUA値はいくつ必要?
UA値には地域ごとに基準があります。
日本は気候条件に応じて1~8地域に区分されており、寒い地域ほど厳しいUA値が設定されています。
断熱等性能等級5、いわゆるZEHの外皮基準では次のUA値が目安です。
| 地域区分 | 主な地域の目安 | 等級5・ZEH外皮基準のUA値 |
|---|---|---|
| 1・2地域 | 北海道など | 0.40以下 |
| 3地域 | 青森・岩手・秋田など | 0.50以下 |
| 4~7地域 | 東北南部、関東、東海、関西、中国、四国、九州の多く | 0.60以下 |
※正式な地域区分は市町村単位で異なる場合があります。8地域ではUA値ではなく、主に冷房期の平均日射熱取得率に基準が設定されています。
ZEHとZEH水準省エネ住宅の違いや、断熱性能・太陽光発電・一次エネルギー性能の関係は、「ZEHとZEH水準省エネ住宅の違い|太陽光・断熱等級を比較」で詳しく解説しています。

ZEHとZEH水準省エネ住宅の違い|太陽光・断熱等級を比較
ZEHとZEH水準省エネ住宅は何が違う?太陽光発電の要否、断熱等級や一次エネルギー性能の基準、住宅ローン控除での扱いを比較。中古住宅やリフォームでZEH水準を目指す場合の考え方も解説します。
例えば福岡県の多くを含む温暖地域でZEH水準を目指す場合、UA値0.60以下が一つの基準になります。
ただし、「現在UA値0.70だから、内窓を付ければ0.60になる」とは一律に判断できません。
窓面積と現在のU値、設置後のU値、壁・床・天井などの性能を使って計算する必要があります。
中古住宅をZEH水準へ近づけるために、窓・壁・床・天井・設備をどこまで改修する必要があるかは、「中古住宅はZEH水準にリフォームできる?必要な断熱・設備改修」で解説しています。

中古住宅はZEH水準にリフォームできる?必要な断熱・設備改修
中古住宅をZEH水準へリフォームするには、窓・壁・床・天井や住宅設備をどこまで改修すればよいのか。断熱等級5や一次エネルギー性能の基準、必要な工事、性能確認の方法まで具体的に解説します。
U値・UA値・C値・熱伝導率の違い
断熱について調べていると、U値とUA値以外にも「C値」「熱伝導率」という数値が出てきます。
意味を混同しないように整理しておきましょう。
| 指標 | 何を見る数字か | 小さいほど |
|---|---|---|
| U値 | 窓・壁など部位の熱の通しやすさ | 断熱性能が高い |
| UA値 | 家全体の平均的な熱の逃げやすさ | 断熱性能が高い |
| C値 | 建物全体のすき間・気密性能 | 気密性能が高い |
| 熱伝導率 λ | 断熱材など材料自体の熱の伝わりやすさ | 熱を伝えにくい |
U値は建材や部位を組み合わせた結果を見る数値です。
例えば断熱材の場合、材料そのものには熱伝導率があり、その厚みや壁の構成まで含めることで壁全体のU値が決まります。
一方、C値は断熱材や窓の熱貫流率ではなく、住宅にどれだけすき間があるかを見る指標です。
そのため、UA値が低い=C値も必ず低いという関係ではありません。
断熱性能と気密性能は関係が深いものの、評価している内容には違いがあります。
内窓と外窓交換ではUA値への効果に違いがある?
内窓も外窓交換も、開口部のU値を改善する方法です。
どちらの方がUA値を大きく下げられるかは、商品名だけでは決まりません。
見るべきなのはリフォーム後の開口部U値です。
例えば、
- 既存アルミ窓+高性能な内窓
- 高断熱な樹脂・複合サッシへの外窓交換
のどちらでも、高い断熱性能を確保できる仕様があります。
ただし、実際の工事ではU値以外(コストパフォーマンスなど)も判断材料になり事が多いです。
内窓は既存サッシを残して施工できるため、工事規模を抑えやすい方法です。
一方、
- 既存サッシが大きく傷んでいる
- 開閉不良がある
- 雨水の侵入がある
- 窓そのものを新しくしたい
といった場合は、外窓交換を検討する意味があります。
UA値だけを下げることが窓リフォームの目的ではありません。
現在の窓の状態、使い勝手、断熱性、結露、騒音などを確認して工法を決めることが大切です。
内窓リフォーム前に確認したい3つの数字
UA値まで意識して内窓を検討するなら、工事前に次の3つを確認すると判断しやすくなります。
1.現在の窓のU値
既存窓がどの程度の性能なのかを確認します。
図面や仕様書が残っていれば、サッシ・ガラスの種類を調べられる場合があります。
資料がなければ、
- アルミ・樹脂などのサッシ材質
- 単板・複層・Low-Eなどのガラス構成
- ガラス間の中空層
などから性能を確認します。
2.内窓設置後の開口部U値
新しく取り付ける内窓単体の性能だけではなく、既存窓+内窓を組み合わせた開口部全体のU値を見ることがポイントです。
メーカー資料や省エネ計算で使用できる性能値を確認します。
3.住宅全体のUA値
ZEH水準や断熱等級など明確な目標がある場合は、窓だけではなく住宅全体のUA値を計算します。
内窓設置前と設置後のUA値を比較すると、そのリフォームによって住宅全体の断熱性能がどこまで変わるのかを数字で確認できます。
ZEH水準や断熱等級など住宅全体の断熱性能を確認する場合は、窓単体のU値だけではなく、外皮計算によってUA値を確認します。
U値とUA値を見るときによくある3つの間違い
「窓のU値=家のUA値」と考える
最も多い誤解です。
U値は一つの部位、UA値は住宅全体なので同じ数字にはなりません。
「一番U値の低い窓を選べばよい」と考える
窓性能は重要ですが、住宅全体の断熱性能は壁・床・屋根などとのバランスで決まります。
すでに高性能な窓が入っている住宅なら、さらに窓のU値を下げるより、天井や床の断熱性能を改善した方がUA値を効率よく下げられる場合もあります。
「UA値だけで住み心地をすべて判断する」
UA値は重要な断熱性能の指標ですが、
- 気密性能
- 日射取得
- 日射遮蔽
- 窓の配置
- 暖冷房計画
まですべてを表しているわけではありません。
住宅の快適性を考えるなら、UA値だけでなく実際の建物条件も見る必要があります。
U値とUA値に関するよくある質問
U値とUA値はどちらも低い方がいいですか?
基本的にはどちらも低い方が熱を逃がしにくいことを示します。
ただし、U値は部位、UA値は住宅全体という評価範囲の違いがあります。
内窓を1か所付ければUA値は下がりますか?
計算上は下がる可能性があります。
ただし1か所だけでは外皮全体に占める面積が小さいため、UA値の変化も小さくなることがあります。家中の古い窓をまとめて改修すると、UA値への影響は大きくなりやすくなります。
内窓を付ければZEH水準のUA値になりますか?
一律にはなりません。
現在のUA値、窓面積、既存窓と内窓のU値、壁・床・天井などの断熱性能によって結果が変わります。
U値が低い窓ほど結露しませんか?
U値が低く断熱性能が高い窓は室内側表面が冷えにくいため、結露を抑えやすくなります。
ただし、室内湿度や換気、外気温などによっては結露することがあります。
U値は窓、UA値は家全体の断熱性性能をみるもの
U値とUA値は、どちらも断熱性能を考えるうえで重要な数値です。大きな違いは評価する範囲にあります。
U値は、窓・壁など一つの部位の熱の通しやすさ。
UA値は、窓・壁・屋根・床などをすべて含めた家全体の平均的な熱の逃げやすさ。
そのため、高性能な窓へ交換してU値が大幅に低くなっても、住宅全体のUA値が同じ割合で低くなるわけではありません。
一方、古いアルミサッシや単板ガラスの窓が多く、窓面積も大きい住宅では、家中の窓を内窓などで断熱リフォームすることでUA値を大きく改善できる場合があります。
窓断熱研究所では、「この内窓のU値が低いから高性能です」で終わらせず、その窓を付けることで住宅全体にどれくらい意味があるのかを見ることが大切だと考えています。
寒い窓が1か所あるなら、その窓の快適性を改善する。住宅全体をZEH水準へ近づけたいなら、すべての窓のU値と面積を確認してUA値を計算する。
目的によって見るべき数字は変わります。U値で窓を見る。UA値で家全体を見る。
この違いを理解しておくと、内窓・外窓交換の見積もりを比較するときも、「商品が高性能か」だけではなく、自分の家の断熱性能をどこまで改善できるのかという視点で判断できるようになります。