一次エネルギー消費量等級は、住宅で使う暖房・冷房・換気・給湯・照明などの省エネ性能を示す指標です。「一次エネルギー消費量等級4と6は何が違うのか」「ZEH水準との違いは何か」は、特に分かりにくいところでしょう。
一次エネルギー消費量等級4は省エネ基準、等級6は省エネ基準から20%以上削減する水準です。ただし、違いは数字だけではありません。一次エネルギー消費量等級の計算ではBEIを使い、設備性能や断熱性能の違いが結果に反映されます。
この記事では、一次エネルギー消費量等級の仕組み、4と6の違い、ZEH水準との違いまで、窓断熱研究所が住宅の具体例を交えて解説します。
一次エネルギー消費量等級とは?4と6の違い・ZEH水準との関係
2026.09.06
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このコラムで分かること
- 一次エネルギー消費量等級が何を評価しているのか
- 一次エネルギー消費量等級4と6の違い
- BEIと省エネ基準の関係
- 暖房・冷房・換気・給湯・照明が評価へ与える影響
- 窓の断熱性能が一次エネルギー消費量へ影響する理由
- 一次エネルギー消費量等級6とZEH水準の関係
- 2025年12月に新設された等級7・8の位置づけ
- 自宅の一次エネルギー消費量等級の調べ方
目次
※制度・基準に関する内容は2026年9月時点の国土交通省の公表資料をもとにしています。
一次エネルギー消費量等級とは?
一次エネルギー消費量等級とは、住宅で使用するエネルギーを「一次エネルギー」に換算し、どの程度省エネできる住宅なのかを等級で示す、住宅性能表示制度の指標です。
一般の方には、「住宅の燃費を比べるための指標」と考えるとイメージしやすいでしょう。
住宅では電気、ガス、灯油など、異なる種類のエネルギーを使います。そのままでは単位が違うため、石油・石炭・天然ガスなど自然界から得られるエネルギーを基準とした「一次エネルギー」へ換算し、共通の尺度で評価します。
国土交通省では、住宅の一次エネルギー消費量について、冷暖房だけではなく、換気、給湯、照明なども含めたエネルギー量として説明しています。
| 評価する項目 | 住宅での主な設備 |
|---|---|
| 暖房 | エアコン、床暖房など |
| 冷房 | エアコンなど |
| 換気 | 24時間換気設備など |
| 給湯 | エコキュート、ガス給湯器など |
| 照明 | LED照明など |
住宅全体の計算では、家電や調理などの「その他」のエネルギーも扱われます。
ただし、住宅の設計によって省エネ性能の差が出やすいのは、暖房・冷房・換気・給湯・照明です。
ここで注意が必要なのは、一次エネルギー消費量等級は、実際の電気代を直接表す数字ではないということです。
家族の人数、在宅時間、エアコンの設定温度、入浴回数などによって、実際の光熱費は大きく変わります。一次エネルギー消費量等級は、一定の条件にそろえて住宅同士の省エネ性能を比較するための評価となります。
一次エネルギー消費量等級はBEIで決まる|数値の違いを理解する
一次エネルギー消費量等級を理解するうえで、最も重要なのがBEIです。
BEIは、基準となる住宅と比べて、設計した住宅の一次エネルギー消費量がどの程度かを示します。
BEI = 設計一次エネルギー消費量 ÷ 基準一次エネルギー消費量
※BEI算定では「その他一次エネルギー消費量(家電等)」を除外します。
たとえば、同じ地域・床面積などの条件で、基準一次エネルギー消費量が100だったとしましょう。
設計した住宅の一次エネルギー消費量も100なら、BEIは1.00です。80まで抑えられればBEIは0.80となり、BEIの算定対象となる一次エネルギー消費量を、基準より20%抑えた設計である、という意味になります。
したがって、BEIは数値が小さいほど省エネ性能が高いと判断します。
2026年現在の一次エネルギー消費量等級は、主に次のように整理できます。
| 一次エネルギー消費量等級 | BEI | 省エネ基準からの削減 | 主な位置づけ |
|---|---|---|---|
| 等級4 | 1.00以下 | 0%以上 | 省エネ基準 |
| 等級5 | 0.90以下 | 10%以上 | 等級4より高い省エネ性能 |
| 等級6 | 0.80以下 | 20%以上 | ZEH水準 |
| 等級7 | 0.70以下 | 30%以上 | 2025年12月新設 |
| 等級8 | 0.65以下 | 35%以上 | 2025年12月新設 |
国土交通省では、2025年12月1日に一次エネルギー消費量等級7・8を新設しています。また、等級6~8は太陽光発電などの再生可能エネルギーによる削減量を除いたBEIで評価します。
つまり、一次エネルギー消費量等級4と6の違いをBEIで見ると、1.00以下と0.80以下です。
同じ基準一次エネルギー消費量に対し、等級6では20%以上消費量を抑える性能が求められます。
一次エネルギー消費量等級4と6の違い|最低基準とZEH水準
一次エネルギー消費量等級4と6は、どちらも住宅の省エネ性能を表していますが、現在の住宅政策上の位置づけには大きな違いがあります。
| 比較項目 | 等級4 | 等級6 |
|---|---|---|
| BEI | 1.00以下 | 0.80以下 |
| 省エネ基準からの削減 | 0%以上 | 20%以上 |
| 位置づけ | 現行の省エネ基準 | ZEH水準の一次エネルギー性能 |
| 新築住宅での意味 | 2025年4月以降の基本ライン | より高い省エネ性能 |
| 太陽光発電 | BEI評価に再エネを含む | 再エネを除いたBEIで判定 |
一次エネルギー消費量等級4は2025年からの基本ライン
2025年4月から、原則としてすべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務付けられています。
住宅性能表示制度の水準で見ると、断熱等性能等級4と一次エネルギー消費量等級4が現行の省エネ基準に相当します。
そのため2026年現在、新築住宅における等級4は、「省エネ性能が特別に高い住宅」というよりも、現在の新築住宅で満たすべき基本的な性能水準と考えた方が分かりやすいでしょう。
もちろん、一次エネルギー消費量等級4だから省エネ性能がないという意味ではありません。
ただ、等級6と比較すると、暖冷房や給湯をはじめとした住宅全体のエネルギー消費量には、さらに削減できる余地があるという違いがあります。
一次エネルギー消費量等級6は20%以上の削減が必要
一次エネルギー消費量等級6では、BEI0.80以下が必要です。
基準となる住宅の一次エネルギー消費量を100とすれば、80以下に抑えるイメージになります。
この20%の違いをつくるためには、照明をLEDにするだけではなく、住宅の断熱性能、高効率な暖房・冷房設備、給湯設備、換気設備などを組み合わせて考えることが重要です。
つまり、一次エネルギー消費量等級4と6の違いは、「設備を一つ交換すれば簡単に埋まる差」とは限らないということです。
住宅の地域、広さ、窓面積、断熱仕様、採用する設備によって、等級6まで引き上げる方法は変わります。
一次エネルギー消費量等級6とZEH水準の関係
一次エネルギー消費量等級6は「ZEH水準」と表現されることがあります。
しかし、ここには大きな注意点があります。
一次エネルギー消費量等級6を満たしただけでは、ZEH水準省エネ住宅にはなりません。
国土交通省が示すZEH水準省エネ住宅には、次の両方が必要です。
| ZEH水準で必要な性能 | 基準 |
|---|---|
| 住宅の断熱性能 | 断熱等性能等級5以上 |
| 一次エネルギー性能 | 一次エネルギー消費量等級6以上 |
一次エネルギー消費量等級は、暖房・冷房・換気・給湯・照明などを含むエネルギー消費性能を評価します。
一方、断熱等性能等級は、窓・壁・屋根・床など住宅を囲う「外皮」の断熱性能を評価するものです。
この2つは、どちらも住宅の省エネに関係していますが、見ている性能には違いがあります。
たとえば、高効率なエアコンや給湯器を採用してBEIを抑えても、窓や壁の断熱性能が断熱等性能等級5に届かなければ、ZEH水準省エネ住宅にはなりません。
逆に、非常に断熱性能が高い住宅でも、設備の効率が低く一次エネルギー消費量等級6に届かなければ、やはりZEH水準にはなりません。
ZEH水準は「断熱」と「一次エネルギー」の両方を見る。
ここを押さえると、一次エネルギー消費量等級6とZEH水準の関係がかなり分かりやすくなります。
※ZEHとZEH水準省エネ住宅の違いや、太陽光発電・創エネまで含めた考え方は、「ZEHとZEH水準省エネ住宅の違い|太陽光・断熱等級を比較」で詳しく解説しています。

ZEHとZEH水準省エネ住宅の違い|太陽光・断熱等級を比較
ZEHとZEH水準省エネ住宅は何が違う?太陽光発電の要否、断熱等級や一次エネルギー性能の基準、住宅ローン控除での扱いを比較。中古住宅やリフォームでZEH水準を目指す場合の考え方も解説します。
一次エネルギー消費量等級に影響する設備|どこで違いが出る?
一次エネルギー消費量等級は、省エネ設備の性能を単純に足し算して決めるわけではありません。
建築する地域や床面積、住宅の断熱性能、設備の種類や効率などをもとに計算します。国土交通省の計算方法でも、外皮の断熱・日射遮蔽と暖冷房設備、換気、照明、給湯などを組み合わせて評価します。
暖房・冷房|断熱性能の違いも消費量へ影響する
暖房と冷房では、エアコンなどの機器効率だけではなく、住宅の断熱・日射性能も影響します。
同じエアコンを使ったとしても、窓や壁から熱が逃げやすい住宅では、冬の暖房負荷が大きくなります。夏に強い日射熱が室内へ入れば、冷房に必要なエネルギーも増えていきます。
そのため、高い一次エネルギー消費量等級を目指す場合は、「高効率なエアコンを付ければよい」という話ではありません。
住宅そのものの断熱性能も重要となります。
給湯|一次エネルギー消費量へ影響しやすい設備
給湯も、一次エネルギー消費量等級を左右する重要な設備です。
エコキュート、高効率ガス給湯器、ハイブリッド給湯機など、効率の高い給湯設備を採用することでBEIを改善できる場合があります。
ただし、「一次エネルギー消費量等級6なら必ずエコキュート」という決まりがあるわけではありません。
住宅の地域、断熱性能、暖冷房、換気、照明などとの組み合わせによって計算結果は変わります。
換気・照明|毎日使う設備も評価対象
現在の住宅では24時間換気が基本となるため、換気設備は長時間稼働します。換気方式やファンの効率も省エネ性能へ影響します。
照明についてはLED化が一般的になっていますが、一次エネルギー消費量の計算では照明設備も評価対象です。
ただし、一次エネルギー消費量等級4から6への違いを、照明だけで埋めようと考えるのは現実的ではありません。
暖冷房、給湯、換気、断熱まで含め、住宅全体でエネルギー消費を抑えることが基本です。
太陽光発電|等級6以上は太陽光だけでは上げられない
ここも(太陽光発電の設置についても)間違えやすいところです。
「屋根に太陽光発電をたくさん載せれば、一次エネルギー消費量等級6になるのでは?」と思う方もいるでしょう。
しかし、一次エネルギー消費量等級6・7・8では、太陽光発電など再生可能エネルギーによる削減効果を除いたBEIで判定します。
そのため、太陽光発電の発電量だけで等級6へ引き上げることはできません。
まず断熱性能と高効率な設備によって、住宅そのもののエネルギー消費量を抑える必要があります。
この考え方は、ZEHとの違いを理解するうえでも重要です。
ZEHでは太陽光発電などによる「創エネ」を含めた評価がありますが、一次エネルギー消費量等級6では、まず創エネに頼らない住宅本体の省エネ性能を見ていると言えます。
窓の断熱性能は一次エネルギー消費量等級へどう影響する?
窓断熱研究所として、ここは特に誤解なくお伝えしたい部分です。
窓を高性能にすれば、必ず一次エネルギー消費量等級が1つ上がるわけではありません。
窓自体は、暖房設備や給湯設備のようにエネルギーを消費するものではありません。
しかし、窓の断熱性能や日射性能は、暖房・冷房に必要なエネルギー量へ影響します。
たとえば、古いアルミサッシと単板ガラスの窓では、冬に室内の熱が逃げやすく、夏は外から熱が入りやすくなります。
内窓の設置や高断熱の外窓への交換によって開口部の性能を改善すると、暖房・冷房に必要な負荷を減らせる場合があります。その結果として設計一次エネルギー消費量が下がり、BEIや一次エネルギー消費量等級の評価にプラスへ働く可能性があります。
窓は「断熱性能」だけでなく方角や大きさも見る
同じ性能の窓でも、南・東・西・北のどこにあるのか、窓面積がどの程度あるのかによって熱の出入りは変わります。たとえば、冬の日射を取り込みたい南面と、夏の強い西日を受ける西面では、適したガラスの考え方が違う場合があります。
一次エネルギー消費量等級を意識して窓を考えるなら、サッシやガラスの断熱性能だけではなく、窓面積や日射取得・日射遮蔽まで含めることが大切です。
「内窓を付けたから一次エネルギー消費量等級6になった」と判断するのではなく、リフォーム後の住宅全体を計算して確認する必要があります。
※内窓によって住宅全体の断熱等級4・5へどこまで近づけるかは、「内窓を全部付ければ断熱等級4になる?断熱等級5との違いと判定基準」で詳しく解説しています。

内窓を全部付ければ断熱等級4になる?窓だけでは決まらない理由
家中の窓に内窓を付ければ断熱等級4になる?断熱等級5との違い、UA値、壁・床・天井・玄関ドアまで含めた判定方法を解説。内窓だけで基準へ届きやすい住宅と、追加の断熱リフォームが必要な住宅の違いも紹介します。
一次エネルギー消費量等級4から6へ高める方法
一次エネルギー消費量等級4から6へ高める方法は、住宅ごとに違います。「この設備を付ければ必ず等級6」という固定の仕様はありません。
1.窓・壁・屋根・床の断熱性能を高める
断熱性能を高めると、暖房・冷房に必要なエネルギーを減らしやすくなります。
窓であれば、Low-E複層ガラス、高断熱サッシ、内窓などが代表的です。
既存住宅では窓だけを改善する方法もありますが、壁・床・天井の断熱性能が低ければ、住宅全体では十分な省エネ効果が出ないこともあります。
2.暖房・冷房・給湯設備を高効率化する
高効率なエアコンや給湯設備は、設計一次エネルギー消費量を抑える有力な方法です。
ただし、住宅の断熱性能を高めれば必要な暖冷房能力も変わります。
断熱計画と設備計画を別々に考えるのではなく、住宅全体でバランスを取る方が合理的です。
3.換気・照明も含めて住宅全体で調整する
換気設備や照明も計算対象です。
一つの設備だけを極端に高性能化するより、暖冷房、給湯、換気、照明を含めて無理なく省エネ性能を高める方が、等級6へ届きやすくなります。
4.太陽光発電を「等級6の不足分を埋める設備」と考えない
太陽光発電は、光熱費削減やZEH化を考えるうえでは有効です。
しかし、一次エネルギー消費量等級6以上は再生可能エネルギーによる削減効果を除いて判定します。
等級6を目標にするのであれば、まず断熱と設備効率によってBEI0.80以下を目指します。
※中古住宅で断熱等性能等級5と一次エネルギー消費量等級6を目指す具体的なリフォーム方法は、「中古住宅はZEH水準にリフォームできる?必要な断熱・設備改修」で解説しています。

中古住宅はZEH水準にリフォームできる?必要な断熱・設備改修
中古住宅をZEH水準へリフォームするには、窓・壁・床・天井や住宅設備をどこまで改修すればよいのか。断熱等級5や一次エネルギー性能の基準、必要な工事、性能確認の方法まで具体的に解説します。
一次エネルギー消費量等級7・8が新設|6との違いは?
一次エネルギー消費量等級6は以前の最高等級でしたが、2025年12月1日に等級7と等級8が新設されました。国土交通省の現行制度では次の水準です。
| 等級 | BEI | 省エネ基準からの削減 |
|---|---|---|
| 等級6 | 0.80以下 | 20%以上 |
| 等級7 | 0.70以下 | 30%以上 |
| 等級8 | 0.65以下 | 35%以上 |
したがって、2026年現在、「一次エネルギー消費量等級6=最高等級」ではありません。これは、2025年以前の記事やコラムを読むときに注意して頂きたいポイントになります。
ただし、一次エネルギー消費量等級6の価値がなくなったわけでもありません。
ZEH水準省エネ住宅で求められる一次エネルギー性能は、現在も等級6以上です。等級7・8は、さらに高い省エネ性能を比較・表示できるように追加された上位区分と考えるとよいでしょう。
自宅の一次エネルギー消費量等級の調べ方
「自宅は一次エネルギー消費量等級いくつなのか」と気になる方もいるでしょう。
最初に確認したいのは、住宅を建てたとき、または購入したときの書類です。
住宅性能評価書で確認する
設計住宅性能評価書や建設住宅性能評価書を取得している住宅では、「温熱環境・エネルギー消費量に関すること」などの項目から一次エネルギー消費量等級を確認できます。
断熱等性能等級も一緒に確認すると、住宅の省エネ性能をより正確に把握できます。
BELS評価書で省エネ性能を確認する
BELS(ベルス)は、評価機関による審査を経て建築物の省エネ性能を第三者評価する制度です。評価書ではBEIなどの設計上の省エネ性能を確認できます。
ただし、住宅性能表示制度の「一次エネルギー消費量等級」とBELSは同じ制度ではありません。
BELSにはBELSの表示方法があり、住宅性能評価書にも別の表示があります。
書類に書かれた星の数や数字だけを見るのではなく、「何の制度で、何を評価した書類なのか」まで確認することが大切です。
書類がなければ省エネ計算が必要になることもある
中古住宅などでは、住宅性能評価書やBELS評価書が残っていない場合もあります。
その場合、図面、断熱材、窓、暖房・冷房、給湯、換気、照明などの仕様を確認し、省エネ計算をしなければ正確な一次エネルギー消費量等級を判断できないことがあります。
見た目だけで「この家は等級6」と判断することはできません。
一次エネルギー消費量等級4と6の違いは光熱費に20%出る?
一次エネルギー消費量等級4と6には、BEI1.00と0.80という違いがありますが「等級6なら等級4より電気代が必ず20%安くなる」という意味ではありません。
BEIは、一定の条件にそろえて住宅性能を比較するための計算値です。
実際の光熱費は、家族人数や在宅時間、エアコンの設定温度、給湯の使い方、家電、エネルギー料金、太陽光発電などによって変わります。
したがって、一次エネルギー消費量等級の違いは生活費を保証する数字ではなく、「同じ条件で比べたとき、その住宅がどれだけ省エネしやすい設計になっているか」を見るためのものです。
BEIが20%違うから、電気代もそのまま20%違う、と考えないようにしましょう。
一次エネルギー消費量等級を見るときの3つの注意点
断熱等性能等級も一緒に確認する
一次エネルギー消費量等級だけでは、窓や壁の断熱性能そのものは分かりません。
ZEH水準を目指す場合は、一次エネルギー消費量等級6以上だけではなく、断熱等性能等級5以上も必要です。
窓際の寒さや夏の暑さ、結露などまで考えるなら、一次エネルギー消費量等級だけで住宅性能を判断しないことが大切です。
「なぜその等級になっているか」まで見る
同じ一次エネルギー消費量等級でも、設計内容は住宅ごとに違います。
断熱性能を高めて暖冷房負荷を抑えている家もあれば、高効率な給湯・空調設備を組み合わせている家もあります。
「等級6」という結果だけでなく、どの仕様によって等級6になっているのかまで確認すると、将来の設備交換やリフォームも考えやすくなります。
補助金や住宅ローンの条件は別に確認する
一次エネルギー消費量等級6は、ZEH水準住宅の性能要件や、住宅に関する補助制度・住宅ローンなどで利用されることがあります。ただし、補助金や住宅ローンの優遇が一次エネルギー消費量等級だけで決まるわけではありません。
断熱性能、住宅の種類、世帯条件、申請時期など別の条件もあるため、利用する制度ごとに最新情報を確認してください。
※住宅ローン控除と断熱等級・一次エネルギー消費量等級の関係は、「断熱等級4がないと住宅ローン控除は受けられない?」で詳しく解説しています。

断熱等級4がないと住宅ローン控除は受けられない?
「断熱等級4がないと控除を受けられない」は誤解です。省エネ基準適合住宅、ZEH水準、その他の既存住宅の違いから、必要な性能と証明を整理します。
一次エネルギー消費量等級に関するよくある質問
一次エネルギー消費量等級4は性能が低い住宅ですか?
2026年現在、等級4は現行の省エネ基準に相当する性能です。
新築住宅では基本ラインに位置づけられているため、等級6・7・8と比較すれば省エネ性能には違いがありますが、「省エネしていない住宅」という意味ではありません。
一次エネルギー消費量等級6ならZEHですか?
一次エネルギー消費量等級6だけでは、ZEH水準省エネ住宅にはなりません。
ZEH水準には、断熱等性能等級5以上と一次エネルギー消費量等級6以上の両方が必要です。
また、一般的なZEHでは、太陽光発電などの再生可能エネルギーを含めた別の要件もあります。
太陽光発電を付ければ一次エネルギー消費量等級6になりますか?
太陽光発電を設置するだけではなりません。
一次エネルギー消費量等級6以上は、再生可能エネルギーによる削減効果を除いたBEIで判定するため、断熱性能や設備効率によって省エネ性能を確保する必要があります。
一次エネルギー消費量等級は中古住宅でも調べられますか?
既存住宅も住宅性能表示制度の評価対象です。
ただし、図面や設備仕様など必要な資料がない場合には、現地調査や省エネ計算が必要になることがあります。まずは住宅性能評価書などが残っていないか確認してみましょう。
一次エネルギー消費量等級4と6の違いは省エネ基準から20%
一次エネルギー消費量等級は、暖房・冷房・換気・給湯・照明などを一次エネルギーへ換算し、住宅の省エネ性能を比較するための指標です。
一次エネルギー消費量等級4はBEI1.00以下=現行の省エネ基準、一次エネルギー消費量等級6はBEI0.80以下=省エネ基準から20%以上削減する水準という違いがあります。
2025年4月から新築住宅では省エネ基準への適合が原則義務化され、等級4相当は現在の基本ラインになりました。
一方、一次エネルギー消費量等級6はZEH水準で求められる一次エネルギー性能です。ただし、ZEH水準省エネ住宅になるには断熱等性能等級5以上も必要です。
窓はエネルギーを消費する設備ではありませんが、窓の断熱性能や日射性能は暖房・冷房の負荷へ影響します。
そのため、一次エネルギー消費量等級を高めたい場合は、設備だけを見るのではなく、窓・壁・屋根・床などの断熱性能と、高効率な暖冷房・給湯・換気・照明設備を住宅全体で考えることが大切です。
窓断熱研究所では、窓だけを交換すれば「等級が上がる」とは判断しません。
現在の住宅性能と設備仕様を確認したうえで、窓の断熱改修が暖冷房負荷の削減にどこまで有効なのかを見ることが、無駄のない省エネリフォームにつながります。