シャッターや雨戸を閉めると、窓から逃げる熱を抑え、冬の寒さを和らげる断熱効果が期待できます。ただし、シャッターの断熱効果は、素材や隙間、既存の窓によって変わります。シャッターを一日中閉めればよいわけではなく、昼間の日差しを取り込むことも大切です。内窓による断熱との違いや、併用で期待できる効果を知ると、自宅に必要な対策を選びやすくなります。
この記事では、シャッターの断熱効果を左右する条件と、雨戸との違い、昼夜の使い方を解説します。
シャッター・雨戸で冬は暖かくなる?断熱効果と内窓との違い
2026.10.17
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このコラムで分かること
- シャッター・雨戸の断熱効果と、製品によって差が出る理由
- 冬の防寒に役立つ閉め方と、日中の光を取り込む使い分け
- シャッターと内窓の違い、併用を検討する条件
- 閉めても寒い場合の確認点と、安全に使うための注意
目次
シャッターの断熱効果は、窓の外側を覆うことで生まれる
今あるシャッターや雨戸が正常に動くなら、まず夜に閉めて、窓際の冷えが変わるかを確認しましょう。シャッターを開けたままにしている住宅なら、追加費用をかけずに断熱の効果を試せます。
シャッターは窓の外側にあり、一般的な住宅用は細長い板をつないだ面材を上下に動かします。雨戸は板状の戸を横へ動かすものが代表的です。シャッターと雨戸は開閉の仕組みが違いますが、窓の外側を覆うことで防寒に役立ちます。
シャッターと窓の間の空気層が、断熱効果を生む

シャッターを閉めると、ガラスとの間に空間ができます。シャッターの面材と空気層が、室内から外へ逃げる熱を抑える断熱の仕組みです。
冬の住まいでは、暖房の熱が窓からも逃げています。シャッターで外側を覆うと窓の冷え方が変わり、防寒効果を期待できます。LIXILも、リフォームシャッターと窓の間にできる空気層による断熱効果を案内しています。
ただし、この空間は複層ガラス内部のように密封されていません。シャッターの周囲には隙間があるため、窓との空間から空気が出入りする程度でも断熱効果が変わります。
シャッターが冷たくても、断熱効果がないとは限らない
金属製のシャッターは、冬に外気で冷えます。しかし、金属の冷たさだけで、シャッターの断熱効果がないとは判断できません。確認したいのは、シャッターの温度だけではなく、シャッターを開けた状態と閉めた状態で、窓から逃げる熱にどのような差が出るかです。
金属製でも、シャッターと窓の間の空気層が断熱を補います。一方、木製雨戸でも板が反り、隙間が大きければ効果は変わります。金属製・木製という素材名だけで、断熱性能の高い順に並べることはできません。
シャッター・雨戸の断熱効果は、構造と使い方で変わる
同じように見えるシャッターでも、構造・閉鎖状態・組み合わせる窓が違えば、断熱性能は変わります。シャッターの種類だけでなく、現在の閉まり方も効果を判断するポイントです。
断熱材の有無で、シャッターや雨戸の構造は違う

シャッターや雨戸には、薄い金属板を使うタイプと、内部に断熱材を入れたタイプがあります。
例えば、LIXILの取替雨戸パネル「防護断熱タイプ」は、2枚の鋼板の間にウレタンの断熱材を入れた構造です。一般的な鋼板パネルとは異なり、面材そのものの断熱性を高めています。
雨戸を選ぶときは、パネルの断熱材と構造を確認しましょう。断熱材入りの雨戸の性能を、一般的な金属製シャッターに当てはめることはできません。
| 確認する部分 | 断熱効果を考えるポイント |
|---|---|
| シャッター・雨戸の面材 | 金属・木製などの材質、厚み、断熱材の有無 |
| 閉めたときの状態 | 最後まで閉まるか、通風部が開いていないか |
| 既存の窓 | ガラスの構成、サッシの材質、閉まり方 |
| 日常の使い方 | 夜に閉められるか、日中に採光や出入りが必要か |
工場やガレージの断熱シャッターと、住宅の窓シャッターも別です。大型シャッターの電気代削減事例は、自宅の窓の断熱効果を示すものではありません。
通風タイプのシャッターは、全閉時と開放時の効果を分ける

通風・採光タイプは、面材の隙間や羽根の角度を調整し、シャッターを下ろしたまま光や風を取り込めます。
冬に断熱効果を生かすなら、閉鎖できる通風部分も閉じ、シャッターを指定の全閉状態にします。シャッターが下まで下りていても、通風部分が開いていれば、全閉時と同じ効果は期待できません。
ただし、シャッターの通風部分には、閉じられない種類もあります。LIXILの一部の耐風タイプには、換気孔を閉じられない「換気スラット」があります。シャッターに隙間があっても、故障や閉め忘れとは限りません。
仕様として必要な開口と、不具合で生じた隙間を区別し、テープなどで勝手に密閉しないでください。
電動シャッターは、断熱性能より開閉のしやすさが特徴
電動か手動かは、主に操作方法の違いです。電動シャッターというだけで、手動より断熱効果が高いとは判断できません。
電動シャッターのメリットは、窓を開けずに操作できることです。開閉時に暖気が逃げるのを防ぐ効果があり、寒い夜もシャッターを閉めて防寒しやすくなります。
手動シャッターを毎晩問題なく利用しているなら、電動化だけで断熱性能が向上するとは考えないでください。シャッターを交換する場合も、断熱効果と操作性を分けて比較しましょう。
シャッターの断熱効果は何度分?電気代への影響の見方
シャッターを閉めると何度暖かくなるかは、一律には示せません。窓の面積・断熱性能・外気温・風・暖房の使い方が違えば、シャッターの効果も変わります。
シャッターは夜の防寒に有効ですが、住宅全体の断熱不足まで解決する設備ではありません。
断熱効果の公表データは、室温とガラス表面温度を区別
シャッターの断熱効果を示す資料では、室温とガラス表面温度を区別します。窓が冷えにくくなる効果と、部屋が何度暖まるかは別です。
LIXILのリフォームシャッターには、室外0℃・室内20℃の条件で、窓の室内側表面温度を比較した社内試験が掲載されています。これは、シャッターを閉めたら室温が同じ幅だけ上がることを示すものではありません。
効果を比較する際は、シャッターの種類、ガラス・サッシの仕様、全閉か通風状態かを揃えます。異なる窓を使った試験の数値だけを並べても、シャッター同士の断熱効果の優劣は決まりません。
窓の断熱性能を示すU値と、シャッターを組み合わせた評価値も区別しましょう。シャッターを閉めるだけで、既存窓単体のU値が別の値へ変わるわけではありません。
シャッターによる暖房費の削減は、使用する窓数と時間で変わる
シャッターの断熱効果で窓から逃げる熱を抑えられれば、エアコンが補う熱も減り、暖房費の削減につながる可能性があります。
ただし、一戸建ての複数の窓へシャッターを設置した試算と、窓1か所の利用では条件が違います。電気代の削減効果を見るときは、シャッターの数と閉める時間も確認しましょう。
電気代への効果は、断熱性能だけでなく暖房時間にも左右されます。自宅で比べる場合は外気温と生活時間を揃え、電気料金だけでなく使用電力量も見ます。
窓断熱研究所では、新設を考える方にも、まず既存設備を利用できないか確認することをおすすめします。既存シャッターを利用する防寒対策と、新設費用を電気代の削減だけで回収する判断は分けましょう。
冬にシャッターの断熱効果を生かす、昼夜の使い方
シャッターで冬の断熱効果を高めるには、夜の防寒と昼の日射利用を使い分けます。夏の遮熱と同じように閉め続けると、冬に取り込みたい太陽の熱も遮ってしまいます。
夜はシャッターの断熱効果を生かし、昼は日差しを取り込む
日が陰ったらシャッターや雨戸を閉め、窓の断熱を補いましょう。部屋が冷え切る前から閉めておくと、暖房した住まいの保温に役立ちます。
晴れた冬の日中は、日差しが入る窓のシャッターを開けて日射を利用します。シャッターを開けてもガラス窓は閉めたままで構いません。夏は抑えたい日射も、冬は住まいを暖める熱になります。
| 時間帯・窓の条件 | シャッターの使い方 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 日差しが入る昼間 | 開けて日射と光を取り込む | 暖房を補う自然の熱を遮らない |
| 日が陰った夕方から夜 | 閉めて窓の保温を補う | 出入りを済ませ、全閉を確認する |
| 日が入らない窓・曇りの日 | 明るさと窓際の冷えを比べて決める | 閉めっぱなしで生活に支障がないか |
| 窓を開けて換気する時間 | 必要な空気が通る開け方にする | 終了後は窓と面材を適切に閉める |
シャッターの閉めっぱなしには、暗さや出入りのデメリットがある
シャッターの断熱効果を優先しても、日中の暗さや出入りの手間が増えるデメリットがあります。防寒と暮らしやすさの両立も、シャッターの使い方のポイントです。
例えば、日当たりのよいリビングでは昼にシャッターを開け、夜に閉めます。日が入らない寝室は、明るさと防寒効果を比べて使い分けましょう。全室のシャッターを同じ時刻に閉める必要はありません。
タイマー付きの電動シャッターも、夏と冬で同じ時刻に固定せず、日照時間や家族の出入りに合わせます。自動で動く際も、窓の周囲に人や物がないことを確認してください。
シャッターはカーテンと併用できるが、換気経路は残す
シャッターは窓の外、カーテンは内側から断熱を補う対策です。併用すると防寒に役立ちますが、シャッターとカーテンの効果を足して「断熱効果が2倍」とは計算できません。
カーテンを給気口へかぶせたり、雨戸の隙間をふさいで必要な換気を止めたりしないでください。窓に給気機能がある住宅では、シャッターを閉めても必要な空気を取り込めるか、住宅会社へ確認してください。
朝はシャッターを開けた際に、窓とカーテンの濡れもチェックします。断熱対策を続けながら、水滴を拭き取り、湿った生地を乾かしましょう。
シャッターと内窓の断熱効果は、位置と使える時間が違う
シャッターと内窓は、断熱効果を発揮する位置と時間が違います。夜だけ防寒したいのか、シャッターを開けた昼間も断熱したいのかで、住まいに合う対策を選びましょう。
| 比較する点 | シャッター・雨戸 | 内窓 |
|---|---|---|
| 設置する位置 | 既存窓の外側 | 既存窓の室内側 |
| 断熱の仕組み | 外側の面材と空気層で熱の移動を抑える | 追加した窓と空気層で熱の移動を抑える |
| 効果を得る状態 | 主に面材を閉めている間 | 内窓と外窓を閉めている間 |
| 日中の採光 | 全閉すると光を遮るタイプが多い | ガラスの仕様に応じて光を取り込める |
| 既存窓の扱い | ガラスやサッシはそのまま | 既存窓を残し、室内側に別の窓を追加 |
| 併用した場合 | 夜は閉めて外側から断熱を補助 | 昼も採光しながら窓の断熱を補う |
夜の防寒だけなら、既存シャッターの利用から始める
夜だけ窓際が冷える住宅なら、既存シャッターの断熱効果を先に確かめます。シャッターを閉めることで十分な防寒効果を感じられるなら、追加工事を急ぐ必要はありません。
一方、昼もシャッターを閉めなければ寒い、光を取り込みながら断熱したい場合は、内窓を比較する意味があります。
内窓の断熱効果は、ガラス・枠・既存窓との組み合わせで変わります。「シャッターより必ず何倍の効果がある」と、一律に順位づけすることはできません。
内窓との併用は、断熱効果とシャッターの操作性を確認する
内窓で断熱性能を高めた後も、手動シャッターの開閉には内窓と外窓を開ける動作が必要です。掃き出し窓では、断熱効果と毎日の出入りのしやすさを両方確認しましょう。
電動シャッターならガラス窓を開けずに操作できますが、内窓の取付位置と操作部材が干渉しないかは確認が必要です。
窓断熱研究所では、断熱効果だけでなく、既存シャッターを無理なく使い続けられるかも確認します。工事を検討する場合は、内窓の工事方法・商品・取付条件をご覧ください。
シャッターを閉めても寒いときは、残る冷えから対策を選ぶ
シャッターの断熱効果だけでは寒さが残る場合、不具合の修理と窓の断熱改修では対策が異なります。シャッターを新しくする前に、冷える場所を絞りましょう。
シャッターが最後まで閉まらない場合は、点検を優先する
シャッターが途中で止まる、斜めになる、異音がする場合は、断熱効果の比較より点検が先です。以前より大きな隙間がある場合も、シャッターの不具合を確認します。
安全に見られる位置から、閉鎖状態と異物の有無を確認します。シャッターを力任せに引く、レールを外すといった修理は避けてください。
凍結しているシャッターは、氷が溶けるまで無理に操作しないことが基本です。動作不良が続く場合は、購入店やメーカーへ相談しましょう。交換の検討には、シャッター・雨戸の施工相談をご利用いただけます。
シャッターが正常なら、ガラスとサッシの断熱を調べる
シャッターを閉めてもガラスや枠が強く冷えるなら、窓本体の断熱性能を調べます。シャッターによる断熱の効果があっても、既存窓の性能によっては冷えが残るためです。
サッシの合わせ目から実際に外気が入る場合は、窓の閉まり方や部品も点検します。窓本体の不具合は、シャッターを付け替えるだけでは直りません。
床や壁まで冷たい住まいでは、窓以外の断熱調査も必要です。シャッターの断熱効果だけで解決しようとせず、家が寒い原因と窓まわりの確認方法から、冷える場所を整理してください。
新設や更新を具体的に検討する段階では、窓シャッターの後付け・交換費用も確認できます。費用だけでなく、改善したい寒さに合う断熱対策かを確認しましょう。

窓シャッターの値段はいくら?手動・電動・後付けの費用相場
窓シャッターの値段を、手動・電動、腰高窓・掃き出し窓、後付け・交換に分けて解説。商品代、施工費、電気工事、足場などの追加費用と、台風・防犯目的に合う選び方も紹介します。
シャッターの断熱効果についてよくある質問
断熱シートや塗料を使うDIYで、シャッターの効果を高められますか?
メーカーが認めていない断熱シートや塗料を、シャッターへ自己判断で使うことはおすすめしません。
巻取り式シャッターは、シートの厚みや重量が動作に影響します。
断熱効果を高めようとしても、開閉不良につながる加工は避けてください。
夏向けの遮熱塗料も、冬の断熱材とは役割が違います。
断熱アイテムを追加する前に、シャッターへの使用可否を確認しましょう。
シャッターを閉めれば、結露を防ぐ効果もありますか?
シャッターの断熱効果で窓面が冷えにくくなれば、結露を抑える効果も期待できます。
ただし、室内の湿度や枠の断熱性能によって、水滴が残る場合があります。
シャッターは湿気を取り除く設備ではないため、必要な換気は続けましょう。
シャッターを閉めたまま寝ても大丈夫ですか?
夜間はシャッターとガラス窓を適切に閉め、施錠も確認します。ただし、防寒や防犯を優先して必要な換気・避難経路を妨げないでください。
電動タイプは、停電時に開ける機構があるかと、その操作方法も事前に確認します。
断熱効果を高めるために窓を塞ぎ切るのではなく、安全に開閉できる状態で使うことが基本です。
シャッターの断熱効果は、閉め方と窓の条件で変わる
シャッターや雨戸には、窓の外側を覆い、空気層によって冬の冷えを和らげる断熱効果があります。
面材の構造、通風部の状態、ガラスやサッシによって効果は変わります。
まずは今あるシャッターを夜に閉め、日差しが入る昼間は開けて使い分けましょう。
昼の採光と断熱を両立したい場合や、閉めても窓際の冷えが残る場合は、内窓や窓本体の改善を検討します。
シャッターがあるから断熱は十分とも、内窓があるから外側の対策は無意味とも限りません。
自宅の窓で得られる効果と毎日の使いやすさを比べ、必要な防寒対策を選びましょう。