玄関に網戸を後付けしたいと考える方は、夏の暑さ、湿気、におい、虫の侵入、ペットの出入り、防犯性など、複数の悩みを同時に抱えていることが多いです。結論からいうと、玄関ドアや引戸の形状、枠まわりの寸法、下地、室内側のスペースが合えば、玄関網戸は後付けできます。ただし、すべて場合に同じ商品を取り付けられるわけではありません。この記事では、後付け玄関網戸の種類、費用相場、DIYとプロ施工の違い、採風ドアとの違い、選び方の注意点まで、窓断熱研究所の視点でわかりやすく解説します。
玄関に網戸は後付けできる?費用・種類・採風ドアとの違い
2026.06.20
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このコラムで分かること
- 玄関に網戸を後付けできるケース・できないケース
- 玄関網戸の種類と、それぞれのメリット・注意点
- 後付け網戸の費用相場と、見積もり時に確認すべき内容
- DIYで取り付ける場合と、プロに依頼する場合の違い
- 玄関網戸と採風ドアの違い、防犯性や断熱性の考え方
- YKK AP・LIXILなどの商品を選ぶときの判断ポイント
目次
玄関に網戸は後付けできる?
玄関に網戸を後付けできるかどうかは、「ドアの種類」だけでなく、「枠の奥行き」「ドアクローザーやハンドルの位置」「玄関内側の壁や収納との距離」「床の段差」「下地の強さ」で決まります。一般的な片開きの玄関ドア、親子ドア、玄関引戸、勝手口ドアであれば、条件が合う商品を選ぶことで取り付け可能なケースは多くあります。
特に多いのは、玄関ドアの室内側に横引きタイプやロール収納式の網戸を取り付ける方法です。YKK APの「横引き収納網戸 フラットタイプ XMA」は、玄関や勝手口に取り付ける下枠フラットタイプの横引き収納網戸で、片引きタイプと両引きタイプが用意されています。下レールの段差を3mmに抑えたバリアフリー仕様であることも特徴です。
ただし、玄関まわりに十分な取り付けスペースがない場合、ドアクローザーやポスト、手すり、下駄箱、巾木などが干渉する場合は、後付けが難しくなることがあります。マンションでは、玄関ドアの外側が共用部分にあたるため、基本的には室内側への設置を前提に考える必要があります。管理規約で玄関まわりの変更に制限がある場合もあるため、事前確認が大切です。
後付けできる玄関と、注意が必要な玄関
玄関網戸を後付けしやすいのは、室内側の枠にある程度の奥行きがあり、左右どちらかに収納スペースを確保できる玄関です。片開きドアなら、横引きロール網戸やアコーディオンタイプを選びやすく、引き戸や引戸タイプの玄関なら、開口幅に合わせて片引き・両引きの設計を検討します。
注意が必要なのは、玄関ドアの内側にすぐ下駄箱がある家、ドアクローザーが大きく出ている家、床に大きな段差がある家、玄関土間が狭い家です。この場合、網戸本体やレール、収納ケースが干渉し、開閉しにくくなることがあります。また、古い木製ドアや枠が傷んでいる場合は、網戸だけを付けてもビスが効きにくく、がたつきやすくなることがあります。
窓断熱研究所では、玄関網戸を考えるときに「取り付けられるか」だけでなく、「毎日使いやすいか」まで見ます。網戸は夏だけ使うものと思われがちですが、春や秋の換気、湿気対策、におい対策にも使うため、開け閉めが重い、掃除しにくい、段差につまずきやすいと、結局使わなくなってしまいます。
玄関網戸の主な種類

玄関に後付けできる網戸には、いくつかのタイプがあります。見た目だけで選ぶのではなく、玄関の広さ、家族構成、ペットの有無、風の通り方、防犯性、掃除のしやすさを合わせて考えることが重要です。
横引きロール網戸
横引きロール網戸は、使わないときに本体を縦のケースへ収納できるタイプです。玄関をすっきり見せたい方、普段は網戸の存在感を出したくない方に向いています。YKK APの「横引きロール網戸 フラットタイプ XMD」は、玄関や勝手口に取り付けるロール収納式の網戸で、使用しないときにすっきり収納でき、網戸本体を取り外して掃除できる点が特徴です。
横引きロール網戸は、風通しを確保しながら虫の侵入を抑えたい玄関に向いています。ただし、強風時に網がたわみやすい商品もあるため、海沿い、川沿い、高台、マンションの上階など風が強い場所では、商品選びに注意が必要です。
横引き収納網戸・フラットタイプ
横引き収納網戸は、玄関や引戸に合わせやすい定番タイプです。下レールが低いフラット設計の商品を選ぶと、出入りの際につまずきにくく、掃き掃除もしやすくなります。高齢の方、小さなお子さま、ペットがいる家では、段差が小さいタイプを優先した方が失敗しにくいです。
YKK APのXMAのように、片引きタイプと両引きタイプを選べる商品は、片開きドアだけでなく、開口幅の広い玄関にも対応しやすいのが利点です。ただし、両引きタイプはオーダー品になる場合があるため、納期や費用は事前に確認する必要があります。
アコーディオン・プリーツタイプ
アコーディオンタイプやプリーツタイプは、折りたたむように開閉する網戸です。比較的軽い力で開け閉めしやすく、収納時の見た目もコンパクトです。玄関の内側にスペースが限られている場合でも検討しやすく、ホームセンターや通販サイトでも見かけることがあります。
一方で、プリーツ部分にホコリがたまりやすい点、強く引っ張ると網や部品に負担がかかりやすい点には注意が必要です。掃除をこまめにできる家、出入りの頻度がそこまで多くない家には向いていますが、毎日何度も開閉する玄関では耐久性も確認した方がよいでしょう。
中折れ式・折れ戸タイプ
中折れ式の網戸は、扉のようにしっかりした印象があり、鍵付きの商品を選べる場合があります。防犯性を少しでも高めたい、ペットの飛び出しを抑えたい、ルーバー付きで目隠しもしたいという場合に検討されます。
ただし、中折れ式は網戸本体の存在感が出やすく、開閉スペースも必要です。玄関内側が狭い場合や、靴の脱ぎ履きスペースが少ない場合は、使い勝手が悪くなることがあります。見た目の安心感だけで選ばず、実際の動線まで確認することが大切です。
引き戸・引戸用網戸
玄関が引き戸、または引戸の場合は、開口幅や戸の重なり方に合わせた網戸選びが必要です。片側だけ開ける使い方なのか、左右どちらからも出入りするのかによって、片引き・両引きの選び方が変わります。
引き戸タイプの玄関は、風を取り込みやすい一方で、網戸のレール部分に砂やホコリがたまりやすいことがあります。北九州のように海風や砂ぼこりの影響を受けやすい地域では、掃除のしやすさも重要です。開閉の軽さだけでなく、レールの形状、部品交換のしやすさ、修理対応まで確認しておくと安心です。
玄関網戸を後付けする費用相場
玄関網戸の費用は、本体の種類、サイズ、オーダーの有無、施工の難易度、既存枠の状態によって変わります。一般的な情報として、玄関網戸の設置費用は安ければ3万円程度から、グレードやオーダー内容によっては10万〜20万円近くになるケースもあります。
目安としては、次のように考えるとわかりやすいです。
| 種類 | 費用の目安 | 向いている玄関 |
|---|---|---|
| 簡易的なDIY網戸 | 1万〜3万円前後 | まず安く試したい玄関 |
| 横引きロール網戸 | 3万〜8万円前後 | すっきり見せたい片開きドア |
| アコーディオン・プリーツタイプ | 5万〜15万円前後 | 省スペースで使いたい玄関 |
| 中折れ式・鍵付きタイプ | 8万〜18万円前後 | 防犯性やペット対策を重視する玄関 |
| オーダー・大型開口 | 10万〜20万円以上 | 親子ドア、引戸、大きな玄関 |
ある大手リフォームサイトの中では、横引きアコーディオンタイプの網戸が約10万〜25万円、工賃が5万〜8万円ほど、折れ戸タイプでは網戸単体が5万〜10万円程度、工賃が5万〜8万円程度と紹介されています。費用情報は掲載会社や時期、工事条件によって変わるため、あくまで見積もり前の目安として見るのが安全です。
見積もりを見るときは、「商品代」「取り付け費」「出張費」「既存部品の調整費」「追加部材費」「処分費」が分かれているか確認しましょう。安い見積もりに見えても、現地で追加費用が出る場合があります。特に、玄関枠のゆがみ、下地補強、段差調整、ドアクローザーの干渉がある場合は、最初の見積もりだけで判断しない方がよいです。
DIYで玄関網戸を後付けする場合の注意点
ホームセンターや通販では、DIY向けの玄関網戸も販売されています。全国展開しているあるホームセンターでは、ドア用網戸やロータリー網戸など、1万円前後から2万円台の商品が掲載されています。
DIYのメリットは、費用を抑えやすいことです。簡易タイプであれば、賃貸や一時的な虫対策として使いやすい場合もあります。しかし、玄関は毎日出入りする場所なので、採寸ミス、レールの傾き、ビスの効き不足、ドアクローザーとの干渉があると、すぐに開閉不良につながります。
特に注意したいのは、マンション、親子ドア、玄関引戸、ドア枠にゆがみがある家です。DIYで無理に取り付けると、網戸が斜めに走る、すき間から虫が入る、鍵やハンドルに干渉する、下レールにつまずくといったトラブルが起きやすくなります。費用だけを見ればDIYは魅力的ですが、長く使うならプロに現地確認してもらった方が結果的に安く済むこともあります。
玄関網戸と採風ドアの違い
玄関網戸は、今ある玄関ドアを開けた状態で虫の侵入を防ぎながら風を通すための後付け部品です。一方、採風ドアは、玄関ドアそのものに採風用の窓や機構が組み込まれており、ドアを閉めたまま換気できる商品です。
この違いは非常に大きいです。玄関網戸は費用を抑えて通風を確保しやすい反面、基本的には玄関ドアを開けて使うため、防犯性やプライバシーには限界があります。採風ドアは費用が高くなりますが、鍵を閉めたまま風を取り込めるため、防犯性、断熱性、見た目、使い勝手を同時に改善しやすいリフォームです。
LIXILのリシェント玄関ドア3の採風タイプは、ドアの鍵を閉めたまま採風でき、採風部分に格子を設けることで外から手を差し込めないよう配慮されています。断熱仕様では縦すべりタイプなどが用意されています。
YKK APのドアリモ玄関ドアでも、通風ドアを選ぶことで鍵を閉めたまま換気できる仕様が紹介されています。また、同ページでは既存のドア枠に新しい枠をかぶせるカバー工法により、壁を壊さずに玄関ドアをリフォームできることも説明されています。
後付けと玄関ドアの交換 どちらを選ぶべきか
費用を抑えて、夏場や一時的な換気を改善したいなら、玄関網戸の後付けが現実的です。特に、今の玄関ドアに大きな不満がなく、虫の侵入や湿気、においだけを改善したい場合は、横引きロール網戸やプリーツタイプで十分なケースがあります。
一方で、玄関が寒い、結露する、鍵を開けたままにするのが不安、古いドアの建て付けが悪い、見た目も変えたいという場合は、採風ドアへの交換を検討した方がよいです。採風ドアなら、換気だけでなく断熱、防犯、デザイン、開閉のしやすさまでまとめて改善できます。
窓断熱研究所としては、「とにかく網戸を付ける」ではなく、玄関全体の悩みから逆算して選ぶことをおすすめします。暑さ・湿気・においだけなら網戸、防犯・断熱・老朽化まで気になるなら採風ドア、という切り分けが基本です。
玄関の後付け網戸の商品選びで確認したいポイント
玄関網戸の商品を選ぶときは、メーカー名だけでなく、設置後の使い方まで確認しましょう。YKK APのXMAやXMDのような横引き収納・ロール収納タイプは、使わないときにすっきり見せやすく、玄関や勝手口に合わせやすい商品です。下レールが低いタイプはバリアフリー性も高く、掃除のしやすさにも関係します。

LIXILの「しまえるんですα」は、交換用網戸本体が用意されており、網が破れたり本体が壊れたりした場合に本体のみ交換できる商品として案内されています。取り外しができ、不要な季節には外して保管できる点も特徴です。
商品名だけで選ぶのではなく、次の点を現地で確認してください。
- 玄関ドアの内側に取り付けスペースがあるか
- ドアクローザー、ハンドル、鍵、郵便受けに干渉しないか
- 下レールの段差が生活動線の邪魔にならないか
- ペットや子どもが押しても外れにくいか
- 掃除や部品交換がしやすいか
- 玄関引戸や親子ドアの場合、開口幅に合うか
- マンションの管理規約上、取り付けに問題がないか
防犯性を重視するなら「網戸だけ」に頼りすぎない
玄関網戸を付けると、ドアを開けたまま風を通せるようになります。ただし、網戸はあくまで虫の侵入を防ぐためのものです。鍵付きの商品であっても、玄関ドアそのものと同じ防犯性があるわけではありません。
夜間、就寝中、外出時、玄関から長時間離れるときは、必ず玄関ドアを閉めて施錠する必要があります。LIXILの採風ドアの説明でも、外出時や長時間ドアから離れるときは採風部分を閉めてロックする旨が示されています。採風機能がある商品でも、使い方を間違えるとリスクが残る点は同じです。
防犯性を重視する家では、玄関網戸よりも採風ドア、または面格子付きの採風機構を備えた玄関リフォームを検討した方が安心です。特に道路から玄関が見えにくい家、夜も玄関を開けておきたい家、単身世帯、高齢の方だけの世帯では、費用だけで判断しないことが大切です。
マンションで玄関網戸を後付けするときの注意点
マンションでは、玄関ドアの外側や廊下側が共用部分にあたることが多く、自由に部品を取り付けられない場合があります。そのため、玄関網戸を後付けするなら、基本的には室内側に設置できる商品を検討します。
また、マンションは風の抜け方が戸建てと違います。共用廊下側から室内へ風が入り、窓へ抜ける間取りでは、玄関網戸の効果を感じやすいことがあります。一方で、共用廊下に面しているため、視線、におい、音、防犯性への配慮も必要です。
管理規約で玄関ドアまわりの加工が禁止されている場合、ビス固定ができないこともあります。賃貸マンションでは原状回復の問題もあるため、DIY用の簡易タイプを選ぶ場合でも、管理会社に確認してから進めた方が安全です。
玄関網戸の工事の流れ
玄関網戸をプロに依頼する場合、一般的な流れは次の通りです。
まず、現地調査で玄関ドアの種類、開口寸法、枠の奥行き、左右の納まり、床の段差、干渉物を確認します。次に、横引き、ロール、プリーツ、中折れ、引戸用などの中から、玄関に合うタイプを選びます。その後、見積もりを確認し、商品を発注し、施工日に取り付けます。
工事自体は短時間で終わることが多いですが、オーダー品や大型サイズの場合は納期がかかることがあります。また、既存枠にゆがみがある場合は調整に時間がかかることもあります。
見積もり段階で確認したいのは、「どの商品を使うのか」「取り付け位置はどこか」「下レールの段差は何mm程度か」「掃除や部品交換はどうするのか」「網が破れた場合に修理できるのか」です。施工後の使い方まで説明してくれる会社を選ぶと、失敗しにくくなります。
交換・修理が必要になる目安
玄関網戸は、毎日開け閉めする場所に付けるため、窓の網戸より傷みやすいことがあります。網の破れ、ほつれ、開閉の重さ、レールのがたつき、収納不良、マグネットや戸当たりの不具合が出てきたら、修理や交換の目安です。
ペットが爪で引っかく家、子どもが押してしまう家、砂ぼこりが入りやすい家では、網やレールの劣化が早くなることがあります。無理に使い続けると本体の部品まで傷み、網の張り替えだけでは直らなくなる場合があります。
LIXILのしまえるんですαのように、交換用網戸本体が用意されている商品もあります。長く使うなら、最初に安い商品を選ぶだけでなく、交換部品や修理対応があるかどうかも確認しておきましょう。
玄関の悩み別おすすめの選び方
暑さや湿気を逃がしたい家は、風の通り道を確認しましょう。玄関から入った風が、廊下、リビング、窓へ抜ける間取りなら、玄関網戸の効果を感じやすいです。反対に、玄関だけ開けても風が抜けない間取りでは、窓の開け方や室内ドアの位置も合わせて考える必要があります。
虫の侵入を防ぎたい家は、網目の細かさとすき間の少なさを確認します。商品本体がよくても、枠との間にすき間が残ると虫は入ります。採寸と施工精度が重要です。
ペット対策をしたい家は、網の強さ、下レール、開閉ロックを確認します。猫や小型犬が押してしまう場合、簡易タイプでは不安が残ることがあります。ペットの飛び出しを完全に防ぐ目的なら、網戸だけでなく、玄関内側のゲートや採風ドアも含めて検討した方が安心です。
高齢の方がいる家は、下レールの段差を最優先で確認します。段差が大きい網戸は、出入りのたびにつまずきの原因になります。YKK APのXMAのように下レールの段差を抑えたフラットタイプは、こうした家で検討しやすい選択肢です。
まとめ:玄関網戸は後付けできるが、玄関全体の悩みで選ぶことが大切
玄関に網戸は後付けできます。ただし、玄関ドア、引戸、マンション、親子ドア、勝手口など、家の条件によって向いている商品は変わります。費用だけで選ぶと、開閉しにくい、掃除しにくい、防犯面が不安、段差が気になるといった後悔につながることがあります。
玄関網戸は、虫対策、風通し、湿気対策、におい対策に効果的です。一方で、鍵を閉めたまま換気したい、防犯性も高めたい、断熱性も改善したい場合は、採風ドアへの交換も検討した方がよいです。
窓断熱研究所では、玄関まわりを「網戸だけ」で見るのではなく、風の通り方、断熱性、防犯性、家族の使い方、将来のメンテナンスまで含めて考えることを大切にしています。今の玄関に後付け網戸が合うのか、それとも採風ドアや玄関リフォームまで考えた方がよいのか、迷ったときは現地の寸法と使い方を確認したうえで判断しましょう。