冷房の設定温度を何度にすればよいのか、毎年夏になると迷う方は多いはずです。27度がよいのか、28度がよいのか、節電のために高めにすべきか、それとも暑いから下げるべきか。ですが、窓断熱研究所は断言します。冷房の設定温度だけをいじっても、部屋が暑い原因そのものが変わらなければ、快適な生活も健康な体も手に入りません。とくに窓の断熱性や日射対策が弱い家では、設定温度を下げるほど電気代は増え、体への負担も大きくなります。この記事では、冷房の適切な設定温度の考え方、冷房が効かず設定温度を下げ続けるデメリット、そして窓リフォームによって室内空調環境がどう変わるかを、窓のプロとして実務的に解説します。
冷房の設定温度は何度が最適?快適な生活空間と健康と窓の関係
2026.05.22
窓断熱研究所は住まい改善の専門チームです。お客様ごとの状況に合わせて、最適な窓リフォームのご提案を行います。
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このコラムで分かること
- 冷房の設定温度を考えるときの基本
- 「28℃」が設定温度ではなく室温の目安である理由
- 冷房が効かず設定温度を下げ続ける経済的デメリット
- 冷やしすぎが体に与える負担
- 冷房効率が悪い家でまず疑うべき窓の問題
- 窓リフォームで設定温度と室内環境がどう変わるか
目次
冷房の設定温度に「絶対の正解」はありません
最初に結論をお伝えします。冷房の設定温度は、何度に設定すれば必ず快適という単純な話ではありません。大切なのは、設定温度ではなく、実際の室温と体感温度です。環境省のCOOLBIZでも、28℃は「冷房の設定温度」ではなく、「冷房時の室温の目安」とされています。つまり、エアコンの設定温度を28℃にすればよいという意味ではありません。
窓断熱研究所が断言するのはここです。冷房の設定温度は、部屋の断熱性、窓から入る日射、湿度、風の流れ、住む人の年齢や体調で変わります。西日が強い部屋、最上階、南向きの大きな窓がある部屋、古いアルミサッシの部屋では、同じ設定温度でも体感は大きく違います。冷房の適温を知りたいなら、まず「なぜその部屋は暑いのか」を見なければなりません。
それでも冷房の目安はある

絶対の正解はありませんが、目安はあります。冷房時の室温は28℃前後をひとつの基準にし、暑いと感じるなら扇風機やサーキュレーター、除湿、窓の日射対策を組み合わせて体感温度を下げる考え方が基本です。
ここで誤解してはいけないのは、「28℃を超えても我慢する」のが正しいわけではないことです。窓断熱研究所は、暑いのに我慢して高めの設定温度を守ることはおすすめしません。とくに高齢者、小さなお子さま、在宅時間が長い方がいる家では、室温管理を優先すべきです。
一方で、冷房の設定温度を下げれば下げるほど快適になるとも限りません。設定温度を24℃や23℃まで下げてようやく落ち着く家は、エアコンが悪いのではなく、窓から熱が入りすぎている可能性が高いです。そこを見直さずに設定温度だけ下げるのは、家の弱点を電気代で補っている状態です。
冷房が効かず設定温度を下げ続ける経済的デメリット
冷房の設定温度を下げ続ける最大のデメリットは、電気代です。埼玉県の節電情報では、夏場は設定温度を1℃上げると約10%の省エネにつながると案内されています。裏を返せば、設定温度を下げるほど、冷房の消費電力は増えやすいということです。
窓断熱研究所の現場感覚でも、冷房が効かないからといって設定温度を毎年下げている家ほど、月々の電気代が重くなっています。しかも、設定温度を下げたからといって必ずしも快適になるわけではありません。窓から強い日射が入る部屋では、エアコンは必死に冷やしているのに、床・壁・家具が熱を持ち続けるため、体感として暑さが残るのです。
つまり、設定温度を下げることは、冷房の効率が悪い家では根本解決になりません。冷房費を節約したいなら、設定温度の前に窓の熱の入り方を変えるべきです。ここを間違えると、節電どころか「冷えないからさらに下げる」という悪循環になります。
冷房を効かせるために設定温度を下げすぎる体への負担
冷房の設定温度を下げすぎると、今度は体がつらくなります。足元が冷える、肩が重い、だるい、頭がぼんやりする、外との温度差で疲れる。こうした不調は、設定温度そのものより、部屋の一部だけが冷えすぎていることが原因になっている場合が多いです。
窓断熱研究所は、夏の不快感を「暑さ」と「冷えすぎ」の両面で見ています。窓の性能が低い家では、日射が当たる場所は暑いのに、エアコンの吹き出しが当たる場所だけが冷えすぎるという、極端な室内環境になりやすいです。これでは健康的な空間とはいえません。
とくに寝室は注意が必要です。冷房の設定温度を低くしないと眠れない部屋は、窓から熱が入り続けている可能性があります。そのまま設定温度だけを下げると、明け方に冷えすぎて体調を崩しやすくなります。快適な睡眠のためにも、冷房の設定温度より、窓からの熱の侵入を減らすことが先決です。
冷房が効かない部屋で、窓を疑うべき理由
窓断熱研究所は断言します。冷房にしてもなかなか冷えない部屋の原因の多くは、窓にあります。
YKK APは、冷暖房の効き・エアコン効率をよくしたいというテーマの中で、窓は熱が一番出入りしやすい場所であり、夏は68%もの熱が入り込んでいると案内しています。夏の冷房時には外からの熱の73%が開口部から流入するとされています。
つまり、冷房の設定温度を議論する前に、窓からどれだけ熱が入っているかを見るべきです。南向きや西向きの大きな窓、単板ガラス、古いアルミサッシ、庇がない窓、カーテンだけで日射を防いでいる窓は、夏の熱に弱いです。ここが変わらなければ、どれだけ高性能なエアコンでも、冷房効率は上がりません。
夏の室内を暑くするのは「外気」だけではなく「日差し」です
冷房が効かない原因を「外が暑いから」と片づけるのは正しくありません。夏の室内温度を大きく押し上げているのは、窓から入る日差しです。LIXILも、夏場に室内へ入ってくる熱の約70%は窓からだと案内しています。
ここで重要なのは、日差しの対策は室内側より外側で行うほうが効果的だということです。カーテンで日差しを防いでも、カーテン自体が熱を持ち、室内側に熱が残ります。窓断熱研究所は、夏の冷房対策では「窓の外で遮る」ことを優先して考えます。冷房の設定温度を変える前に、日差しの流入を減らすだけで、体感は大きく変わるからです。
窓リフォームという選択肢が必要な家
ここからが本題です。窓断熱研究所は、次のような家では窓リフォームを前向きに検討すべきだと考えています。
・1つ目は、冷房の設定温度を下げても部屋がなかなか快適にならない家です。
・2つ目は、西日が強く、午後だけ極端に暑くなる家です。
・3つ目は、寝室や2階が暑く、夜の冷房設定温度が低くなりすぎる家です。
・4つ目は、冬の寒さや結露も同時に気になっている家です。
こうした家は、エアコンの設定温度の問題ではなく、窓が室内環境を崩していることが多いです。窓リフォームをすると、夏の冷房だけでなく、冬の暖房、結露、防音まで一緒に改善しやすくなります。設定温度を無理に下げる生活から、少し高めでも快適に過ごせる空間づくりへ変わるのです。
窓リフォームをすると冷房の設定温度はどう変わるのか
窓リフォームをすると、設定温度そのものに「何度下がる・上がる」と一律には言えません。家の方角、窓のサイズ、断熱性、日射条件、エアコンの能力で変わるからです。ただし、窓断熱研究所は、体感としてはっきり変わるポイントを断言できます。
それは、同じ冷房の設定温度でも「暑さが残りにくくなる」ことです。今まで26℃にしないと落ち着かなかった部屋が、27℃や28℃でも十分過ごしやすくなることは珍しくありません。理由は、窓から入ってくる熱が減ることで、室温と体感温度の差が小さくなるからです。
つまり、窓リフォームの効果は、設定温度の数字を下げることではなく、設定温度を無理に下げなくても快適になることにあります。これは電気代の節約だけでなく、体への負担を減らす意味でも大きな変化です。
冷房の設定温度と室内環境を変えやすい窓リフォームの方法
内窓設置
まず検討しやすいのが内窓です。LIXILのインプラスは、既存窓との間の空気層によって断熱・遮音効果を得やすく、1窓あたり約60分で取り付けできると案内されています。窓断熱研究所としても、今ある窓を活かしながら冷房効率を上げたい家では、内窓は非常に有力な選択肢だと考えています。
内窓のメリットは、夏の熱の侵入だけでなく、冬の熱の流出も抑えやすいことです。冷房の設定温度のためだけの工事ではなく、一年を通じた快適性の改善になります。
外窓交換・取替窓
窓自体が古い、サッシの劣化も大きい、開閉や気密も悪いという家は、外窓交換まで進めたほうがよいことがあります。LIXILのリプラス(外窓カバー工法)やインプラス(二重窓)は、壁工事不要で窓を交換できる商品で、暑さ寒さの原因になっていた古い窓を最新の窓へ変えられると案内されています。
窓断熱研究所は、単板ガラスや古いアルミサッシが残っている家では、内窓だけでなく外窓交換まで含めて比較すべきだと考えています。冷房の設定温度を下げ続けている家ほど、窓そのものの性能差が室内環境に出やすいからです。
外付けシェード・日射遮蔽
夏の日差し対策として、窓の外側で熱をカットする方法も非常に有効です。LIXILのスタイルシェードは、窓から侵入する太陽の熱を約83%カットし、冷房の使い過ぎを抑え、約31%の節約になると案内されています。LIXILの減災・猛暑対策ページでも、シェードの設置で室温が最大3.4℃ダウンした例が紹介されています。
窓断熱研究所としては、西日が強い家や、南面の大きな窓がある家では、窓の断熱と日射遮蔽をセットで考えるべきだと断言します。冷房の設定温度を下げるより、まず窓の外で熱を止めるほうが合理的です。
窓断熱研究所が断言する、快適な生活と健康な体を手にする空間づくり
快適な生活と健康な体を手にする空間づくりに必要なのは、冷房の設定温度を何度にするかだけではありません。設定温度を必要以上に下げなくても過ごしやすい部屋をつくることです。
そのためには、窓から入る熱を減らし、部屋の温度ムラを小さくし、冷房の効率を上げることが欠かせません。窓断熱研究所は、夏の暑さ対策を「エアコン選び」や「設定温度」だけで終わらせるべきではないと考えています。窓を見直せば、室温が安定しやすくなり、冷房の設定温度を少し高めにしても快適に過ごせる可能性が高まります。それが、経済的にも、健康面でも、長い目で見ていちばん合理的です。
まとめ
冷房の設定温度に絶対の正解はありません。目安は室温28℃前後ですが、部屋の断熱性や窓から入る熱が大きい家では、設定温度だけを変えても快適にならないことがあります。
冷房が効かず、設定温度をどんどん下げている家は、電気代が増えやすく、体も冷えすぎやすくなります。窓断熱研究所は、そうした家ほど窓を見直すべきだと断言します。内窓、外窓交換、外付けシェードなどの窓リフォームを行えば、同じ冷房の設定温度でも室内環境は変わります。快適な生活と健康な体を手にする空間づくりは、設定温度を下げることではなく、窓から始めることが正解です。